一部【スサノオ】
十章【災厄】
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うんだね!?尻尾があろうが無かろうが大した違いは無いのではないかね!?」
「そうだね。この段階ではほぼなんの変わりもないよ?…だけど問題はそこじゃない。問題なのは彼らが人間に近づいていると言うことなのさ」
訳がわからないと首をかしげる一同。
だがその中で、さすがと言うべきか、綾部だけは哲二の言う意味を理解する。
「このままではそのヒトガタというものが知能を持つに至る可能性がある…そう言いたいんだね?」
そうだ、と綾部を指差す哲二。
「綾部局長は話が早くて助かるよ。つまりそういう事なんだ!このまま進化を続けさせてしまっては彼らは知能をつける…そしてそれは遠い未来ではないんだよ!」
「ここからは俺が…」
興奮しだした哲二を自分の後ろに追いやり口を開く源生。
「ほう、では話を聞かせてもらうよ、源生大佐」
「これは皆様の手元にある資料第2項目にあたる報告なのですが、先日フロンティア1南部の小洞窟にてこちら穐山を初め他3名の一般ユーザーが更なる新種のヒトガタと交戦する事態が発生しました。その段階ですでにヒトガタは更に進化していたそうです。…実質、こちら新種のヒトガタを第2世代とするならば、わずか1週間たらずで第3世代にまで進化したと言えます」
「なるほど…」
「自分とフロンティア4の精鋭が到着した時点ではすでに対象ヒトガタは逃亡を図っており、目下全力で捜索中であります」
「それは由々しき事態だね…その影響で移住計画の方に何か支障は?」
綾部の言葉に首を左右に振る源生。
「今のところは…ですが、このまま放置すれば間違いなく我々の脅威になり得るのは火を見るより明らかであります」
「そうか…ありがとう源生大佐」
そう言われ、すっと源生は自ら哲二の後ろへと身を引く。
「ちなみにそのヒトガタには『スサノオ』と名ずけて『第1級危険個体』として登録させてもらったよ。あと、その捜索及び討伐には現場にいた一般ユーザーと源生が厳選してくれたユーザーでチームを作るつもりだから、そのつもりで」
「一般だと!?そんな重要な事を一般人に任せると言うのかね!?」
「ちょっと黙っていてくれないかい?君は自分の支持率だけ心配していればいいんだよ」
「なんだとっ!?」
ガタッと椅子を勢いよく倒すほどに怒り立ち上がる林。
「残念ながらそんなに怒ったって無駄だよ。君は僕たち管理局の人間をどうこうすることは出来ないんだから」
ニヤける哲二に怒り心頭といった様子の林だが、哲二の言う通り『世界政府』の所属である管理局の人間をどうこう出来るわけでもなく、歯ぎしりをしながらも椅子を直し座り直す。
「君はあくまでお飾りなんだ。そうやって静かにしていてくれれば僕だって君を敬うフ
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