第116話
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でしょうか?」
フレアの言葉を聞いた教皇は顎に指を当てて、考える。
少しした後、こう答えた。
「いや、まだ様子を見よう。
奴らはとてもずる賢い、今でも息を潜めて私達が行動するのを待っている可能性がある。
星の守護者も存在する以上、まだ意思は残っていると考えても良いだろう。
少しずつ、調査の幅を増やしていく。
もし、星が私達の脅威の存在ではないと確認できた場合、この星の侵略を開始する。」
その言葉に誰もが一瞬だけ反応する。
それを見た、バルズ=ロメルトはうっすらと笑みを浮かべる。
「もう一つの報告を聞こう。」
それまで、ずっと眼を閉じていたアンファルは眼を開けて、報告する。
「主が調べろと言った二人の裏切り者の捜査について報告する。
まず、フレアの報告にもあったあの猫について。
あれは学園都市で出会って以来、一向に足取りがつかめないでいる。
もう一人の裏切者に関しても同じだ。」
「そうか、あの裏切り者達はまだ見つからないか。」
「猫に関しては星側に寝返ったと見て、間違いないだろう。
あの時、裏切り者である事を知っていたら首を落していたのだがな。」
「仕方あるまい。
もう一人の方とは違い、猫の方はお前達がまだ教団に入ってくる前に寝返ったのだからな。
私の方こそ、報告をしなかった事がいけなかった。
引き続き、捜査の方を頼む。」
「御意。」
「そう言えば、教皇様。
以前、入団してきたあの男。
火野神作という、男でしたか?
あの者はどうなっているのですか?」
ふと、思い出したのか。
フレアがそう聞くと、バルズはニヤリ、と笑みを浮かべた。
「あの者か。
奴はいい素質を持っている。
直に良い魔術師になるだろう。」
それを聞いたフレアは満足したのか、もう一度一礼する。
他に質問がない事を確認したバルスは告げる。
「さて、各々の仕事に戻るとしようか。
我らの勝利の為に。」
キオッジアのとある屋根。
その屋根に一人の男が立っている。
その男は麻生達が寝ている部屋を見つめていた。
「あいつが星の守護者。」
そう呟くと、男は視線を夜空に向ける。
夜空には星と満月が輝いていた。
それを見て、男はもう一度、麻生達がいる部屋に視線を向ける。
「どれほどの者か、見せてもらおうじゃねぇか。」
その言葉を最後に、男は闇の中に消えて行った。
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