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とある星の力を使いし者
第116話
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ットが一匹むざむざ殺させてしまった事に腹を立てているのです。
 もちろん、自分自身に。」

それだけ言って、先ほど変わらない速度で走り出す。
違いがあると言えば、足音が少し大きくなっていると言う所だろう。
それを見たディーズは、未だにニヤニヤしながらその後について行く。
柱が立ち並ぶ、広場を抜けた先にはさらに広い広場が見えてきた。
真ん中にはキャンプファイヤーのような大きな火が上がっており、それを中心に石段が上へと広がっている。
数千人は収容できる広場の中で、確認できる影は三つ。
一人は両手を組んで、壁に背中を預けている。
一人は石段の真ん中辺りで、座っている。
一人は一番低い石段に、腰を下ろしていた。
フレアとディーズがその広場に到着すると、それに気がついた一番下にいる少女、アンナは勢いよく石段を登ると、フレアに抱き着く。

「フレア〜〜、どこに行っていたの?」

「自室で少し用事があったので、それを済ませに行っていたのです。」

「む、何か機嫌悪い。」

フレア自身、機嫌が悪いように見せないでいたのだが、アンナは一発で看破する。
すると、ディーズが声をあげて笑いだす。
どうやら、さっきまで笑いを堪えていたみたいだが、耐え切れなくなったらしい。

「ディーズ、此処は神聖な場所。
 その馬鹿笑いを止めなさい。」

もう隠す必要はないのか、不機嫌な雰囲気を出しながらディーズを注意する。
二刀の刀を持った男、アンファルは黙って眼を閉じている。
真ん中辺りに座っている男、サイキはじっと中心にある炎を見続けている。
その時だった。
中心の炎が大きく燃え上がると、炎の前に赤いローブも纏った人が立っていた。
それを見た瞬間、フレアは姿勢を正し、一礼をする。
ディーズも笑い声を止め、その人に視線を送る。
アンナはフレアに抱き着いたままだ。
その人は頭に被さっているローブを降ろす。
髪は黒髪だが、一部が白髪になっている。
顔には少し皴があり、これを見た限り歳は六〇歳以降である事が分かる。
集まっている五人の顔をそれぞれ視線を送る。

「報告を聞こう。」

その一言を聞いた、フレアは淡々と報告を開始する。

「私達、四名はこの星の地脈、霊脈が強い場所を調べました。
 特に教皇様が指示した例の場所、三咲市、冬木市の霊脈に私達の魔力を混入させましたが、星に動きはありませんでした。」

「ふむ、そうか。
 ご苦労であった。」

「教皇様、これは星の機能がほとんど停止しているのではないでしょうか?
 奴らは私達の存在をしれば、最大勢力で迎え撃つはずです。
 それなのに、星の核ともいえる霊脈に私達の魔力を混入させたのに、全く動きがありませんでした。
 これを機に仕掛けるべきではない
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