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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
遠坂凛とアーチャー
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ェンサーの見解は逆だったはずなのに。

 …………もういっそのこと俺も開き直るか。

「それで、結論は出たかね」

 明らかにめんどくせぇなと言わんばかりのレッドな弓兵。
 元はと言えばコイツも原因なわけだが、もはや突っ込んだら負けだ。

「よし、そこな弓兵。茶を持てい」

 ドカッとソファにもたれながら言い放つ。
 ここまで来たらなんでもこい、と腹を括った。

 アーチャーは一瞬だけ微妙な表情をしつつ、キッチンがあるのだろう部屋へと姿を消した。

 さては自分から茶を出すと言ったことを少し後悔したな?

 小っさい勝利に優越感を感じながら大きく息を吐く。
 しかしすぐにこれが敗北感に変わるとは思ってもみなかった。





「くそ、くそっ」

 何だこれは、どういうことだ!?
 なんで弓兵なんかが淹れた紅茶がこんなに美味いんだ、不条理にもほどがある!

「んー、まぁ及第点かな」

 俺の紅茶の毒見をサッと済ませ(そもそも同じポット)、優雅な仕草でティーカップを口に運ぶフェンサー。
 飲むというだけの仕草がここまで様になっているのは見惚れるが、腹立つのは食器運んだり紅茶を用意するアーチャーの姿も様になっていたことだ。

 あれか、英霊たるものこの程度の教養は持ち合わせてマースってことか!

「フッ、素直じゃないな。君のマスターはお気に召していないようだが」

 ニヤリ──という擬音が聞こえてきそうなくらい、ニヒルな笑顔を浮かべて俺を見やがる。

 本音を言えば、サーヴァントが用意する物に味とかそういうのは特に期待していなかった。
 ただ飲んだ瞬間『あ、違う』と思わされた時点で、形容しがたい敗北感を植え付けられたのは筆舌に尽くしがたい。

 ヒトとサーヴァントという区切りなく、人間としての可能範囲で差を見せつけられた感じだ。
 まさか英霊としての武勲を立てる前は執事でもしていたのかなどと考えてしまうレベルだった。

「さて、まだ残っているが────」
「いいからさっさとおかわりいれろよバトラー!」
「黙って注ぎなさい」
「────随分と横柄な客人だ」

 もう何度目かになる溜め息を吐きながら、律義に2杯目を用意するバトラー……もといアーチャーだった。










 三人でお茶し始めてから2時間ほど。
 色々と考え様々な可能性を考慮しつつ、1時間経ってもアーチャーが不穏な動きを見せることはなかったので緊張を解いた。
 残り一時間は完全に優雅なティータイムとなっており、俺とフェンサーは都合3杯目の紅茶を飲み終えたところ。

 ティータイムと言っても、ぶっちゃけアーチャーは待機しているだけである。

 ただ黙々と紅茶のおか
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