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Fate/stay night -the last fencer-
第二部
魔術師たちの安寧
遠坂凛とアーチャー
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 俺とフェンサーは座っているが、アーチャーは立ったままで何もしない。
 話をするでもなく黙ったままでは、せっかくここまで来た意味がないぞ。

 まさかここで待てというのは、本当に凛の都合がつくまで待機していろということか?

「おい、アーチャー……」
「────」

 呼びかけに視線で返す。
 寡黙なのは結構だが、こちらとしては喋ってもらわなくては困る。

「いや、あのさ……案内してくれたのはいいんだけど、ほら。こう……何かないのか?」

 己が主を呼びに行くというのはもちろんの事、現状について話をするとか昨日のことについて教えてくれるとか。

 凛が居ないなら居ないで、アーチャーが代行できる部分があるのではなかろうか。

 そういう意図の発言だったんだが、返ってきたのは的を外した答えだった。

「……茶でも出せと? 仕方あるまい。今は客人という扱いだ、要望には応えよう」

 やれやれ、なんて溜め息を吐くこの色黒白髪。

 コイツわざとか? わざとなのか?

 さすがに一応の敵地で敵が用意したものを口にするのは有り得ないし、用意する側もどうかしてる。
 フェンサーもなんか言ってやれという意思を込めて視線を向けるが、同じく飛び出す理解不能の返答。

「あ。私紅茶ね。インスタントなんて出したらここで宝具解放するから」
「おいこのバカふざけろ! 何考えてんだおまえ! てかむしろおまえら二人だ!」

 平然ととんでもねーコトをのたまうこの色白白髪。

 英霊二人が揃いも揃ってなに普通に和んでんだ。
 即座に戦闘開始なんてことになってもそりゃイヤだけどよ。

「サーヴァントに下手な毒物なんて効かないもの。それに彼自身の口から客人と言った以上、最低限の礼節は弁えているでしょう」

 毒物云々てそれ、生身の人間のボクには当てはまらなくないですか?
 客人扱いに関してはアーチャーのモラルとかの信用度次第なのでは?

 過去に名を馳せた英傑であるなら嘘や騙し討ちの類を嫌うようなイメージがあるが、逆にそういう手段を用いることを常套とする英霊も存在するだろう。
 アーチャーがどういう性質かはまだ測れていないが、己の戦術眼において合理的であれば、迷いなくそれを実行する果断さは持ち合わせているように思う。

 ならばここでアーチャーが飲食物を用意するのはどういう心算なのか。

 本当にもてなす為だけなのか、もしや他の意図があるのか。
 ぶっちゃけ相手陣地に既に入っている時点で、もう細かい事気にしてもしょうがないだろと思わなくもなかったりする。

「わかったわかった、マスターが飲む分は私が先に毒見してあげるから」
「そういう問題じゃ…………」

 おかしい。邸宅内に入る前は俺とフ
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