本編 第一部
三章 「真心の隣に友情はあったりする」
第十五話「授業風景『数遊び』」
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ゃないーっ!そうかおまえらわたしをそこまでばかにするなら見てろー!」
そのちっちゃな手がポールペンを持つとまるで何かが宿ったみたいにノートに描かれる数式。一秒も立たずに数式はそのちっちゃな手で描かれるちっちゃな文字でノートを埋め尽くし、次のページへ、驚嘆する二人。それがなにをあらわす数式なのかわからない、習ったことのない記号が次から次へ、そして三ページにわたるその記号で埋め尽くされたノートをこれみよがし短い手を突き出して見せ付ける白川先生。
「ふんっ、これを君たち、どこぞの科学者にでも見せてやるがいい。君たちは翌日には国際テロ重要参考人としてどこぞの取調室で尋問されるだろう、けどそのときになってこんなどこから見たって小学生としかみられない先生にちんちくりん呼ばわりして報復されてノートに描かれましたなんていってみろ。絶対しんじてもらえないから!そしたらわたし、最後までしらをきりとおしてやるもん!」
「おそろしいお子様やな、ほんと高ちゃんちょっとよくしかってやりいな」
「白川先生!」
「へ、はひい!?教師に暴力はダメなのだー!訴えてやるー!」
「白川先生・・・・・・後ろに校長が・・・・・・」
「うわおう!あの校長!これはですね教師としての権威を守るためでして、ってあれ、校長は?」
「たぶん、今日も学校の花壇の手入れでしょうね」
「藤沢くん!?」
「はあ、なんすか白川先生」
「もー、寿命が縮んだじゃないかっ?どうしてくれる!?」
「はは、それいじょう縮むものがないじゃないですか、いやだなー」
「また、それをいうー!」
「あ、それからこの数式ちなみにどんな内容なんです?」
「え、ただの反陽子爆弾の設計図ですよー。ちなみに私独自の公式なので、私以外には分からないし、大事な最後の一文節を書いてないのでまったく意味のない代物ですよー。わたしはこれでも教師!大事な教え子を路頭に迷わせるはずないじゃないですかー」
「先生、そんな知識があるのになんで科学者にならなかったんですか?」
「えーとね、それはね、やっぱり科学的成果は人類全体の精神的成長の上でなされるのが一番だと思うのですよー。だから私は教師として人類の成長に貢献して人類がこれくらいの技術をもつべき段階にたっしないかぎり、わたしの科学者としてのロードは始まらないわけです、へへー!」
「なあ、白川先生ってほんとは何者なんやろなー高ちゃん?」先生が自慢に浸っている合間、二人は先生に聞こえないような声で話す。もちろん先生の自慢など耳には入らない。
「わからん、だがあの幼稚に見える外見で人類を騙して、実は世界中の人間を自分よりちんちくりんにする気じゃないか?」
「ほんまかー?いや、ありうるかもしれん。そしたら人類はいつごろちんちくりんにされるんや?」
そんな二人をよそに白川先生はふたりの
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