第一章 平凡な日常
22、不幸少年は不運少女に助けられる
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
沢田が死ぬ気になって止めようとするが、失敗。
とまぁ、原作通りの流れだ。
そんなこんなで見事に失神した入江。
「銀、入江を連れて家に帰るぞ」
「は、え? なんであいつも?」
「いやさ、流石にかわいそうになって。それとも、神様の癖に見て見ぬ振りをするのかなぁ?」
「連れてくよ! 連れていけばいいんだろ!」
そう叫ぶと、銀は入江の方へと走っていった。
戻ってくるのを待たずに、オレは家の中に引っ込むことにした。
『要のバカヤロ〜』
玄関がしまる瞬間に聞こえてきた声は無視しておこう。
『無視すんなよ〜』
よし決めた。
今晩はたかられても絶対に飯を食わせねぇ。
ついでにオレの家に立ち入り禁止にしようかな。
†‡†‡†‡†‡†‡
「……あれ、ここは?」
「おっ。気がついたか」
帰宅から十数分。
ようやく入江が目を覚ました。
すぐに銀に水を持ってこさせる。
「大丈夫か?」
「あの、あなたは?」
「オレは霜月要。んで、コイツは銀。オレの友達だ」
「はあ……」
入江が、会釈をするように小さく頭を下げる。
「あの、ここは?」
「オレの家だ。お前、道端で倒れてたからさ」
いまいち何があったのかわからない様子で、入江は首を捻った。
どうやら倒れる前のことを覚えていないらしい。
ま、そりゃそうだろうな。
ずっとうなされてたし、あれは忘れた方がいいだろ。
チラッと、にらめっこ弾の沢田見たけど、あれはダメだな。
「そうですか。ご迷惑をお掛けしました」
「いえいえ」
そして、小さくお辞儀をして、帰ろうと立ち上がる入江。
ただし、その足元はふらふらである。
家を出て少し歩いたところで、入江は立ち止まり、こちらを向いた。
「僕は入江正一です。今日はありがとうございました」
うん、名前は聞かなくても知ってるぜ。
て言うか、さっきから銀がこっちをチラチラ見てきてんだけど。
「あ〜修正不可だな」
何か言ってるね。
「もうこれで、原作に戻れるどころか限りなく近くすることすら無理だな」
何か言ってるね。
聞こえない聞かない聞きたくない。
気にしない気にしない気にしてたまるもんかぁぁぁああああああ!!!!
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ