第21話
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ーレに殺されかけたあの時並の殺気と怒りと小宇宙を振りまきながら叫んだ。
「巫山戯るな!!お前達は、お前達は自分勝手にも程が過ぎる!!何も理解せずに!!勝手に封印して、勝手に封印を解いて!!」
嫌な汗が流れる。今、少しでも双葉の機嫌を損ねれば殺される。そんな未来をたぶん全員が共有している。だが、ギャスパーだけはダンボールから顔を出して双葉の事を見ている。双葉もそれに気づいたのかギャスパーに近づいて膝を付いて、ギャスパーに何かを呟く。それを聞いたギャスパーが驚いている。
「大丈夫です。私はあなたの恐怖を理解してあげれます。大丈夫、大丈夫です。今まで辛かったですね」
そのままギャスパーを抱きしめると、ギャスパーの目から涙がこぼれ落ちる。
「本当に、本当ですか?」
「ええ」
「もう怯えなくても?」
「大丈夫です」
「ふえ、ふええぇぇぇぇぇん!!」
泣き出したギャスパーを双葉は優しく抱きしめ、その背中や頭を撫でている。そんな状況なのに、殺気や小宇宙は全く収まらない為にオレ達は動けないでいた。しばらくしてギャスパーが落ち着いた後、双葉はそのままアナザー・ディメンションで何処かに行ってしまった。極度の緊張から解かれたオレ達はそのまま床に座り込む。未だに冷や汗は止まらず、全身が震えている。同じ黄金級とはいえ天と地程の差がある事を改めて理解させられた。
「な、なにが、何が双葉の怒りの箏線に触れたの?」
しばらくして皆で部室に戻り、先程の事を話し合う。部長は未だに顔を青ざめたままだ。双葉の怒りの矛先が一番向いていたのは部長だったから仕方ない。
「正確には分かりません。ですが、いくらかのキーワードは手に入りました。それとオレが知っている双葉の情報を合わせればそれらしき答えは分かります」
「『何も理解せずに』『あなたの恐怖を理解してあげれます』だよね、イッセー君」
「そうだ、木場。そしてオレが知る双葉の情報、黄金聖闘士は神々と戦う為に能力を特化させる。そして双葉が特化させたのは『時空』。つまり双葉が最も得意とするのは時間と空間に関する技という事です」
「そして二人に共通するのは時間」
「恐怖を理解する事が出来るってことは」
「おそらく双葉もギャスパーと同じ目に会ったことがある」
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ギャスパーを聖域に招待し双児宮の一室を与えたのだが、私から離れ様としないので好きにさせている。ようやく出会えた仲間なのだからな。
部長達には理解出来ないだろうが、世界に一人だけ残されるというのは本当に辛い事なのだ。ギャスパーはまだそこまで辿り着いていないが、あれは辿り着くべき
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