第19話
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てきました。
「ふむ、こんな感じですか?」
「OK、どうせなら動画も売ろう。ちょっと一泳ぎしてくれないか」
「売り上げの一部は渡しなさいよ」
「分かってるよ。利率は昔と一緒でいいか?」
「ええ、それでかまいません」
軽く準備運動をしてからプールに飛び込み、多少ゆっくりと泳いでからプールからあがる。水に濡れた髪をオールバックにする様にして払い、デジカメに向かってもう一度微笑んでおく。
「うん、OK。どれ位売れるか楽しみだな」
「あまり派手にやって取り締まわれない様にしなさいよ」
「分かってるって。それより、そろそろラッシュガードを着直した方が良いぞ。部長達がなんかヤバそうだ」
部長達の方に視線を向けると女性として危ない状態にまでなっていたので脱ぎ捨てたラッシュガードをサイコキネシスで引き寄せて着込みます。
「今のって小宇宙じゃないよな?」
「ああ、サイコキネシスだからな。やろうと思えば普通のテレポートとかも出来るぞ。そこまで長距離は跳べないがな」
「けど、どっちも小宇宙で出来るんだよな」
「右手に小宇宙を全て集中させて普通のテレポートで背後を取ってズドン。アポロンはこれで倒した。小宇宙以外に注目が集っていない状況だったからな。以外と強敵相手には有効な技だ」
「太陽神とも戦ってたのかよ」
「神級とは結構やりあってるからな。ティターン神族はかなり強いぞ。聖闘士としての誇りを自ら捨ててまで戦ってくれた友がいなければ私達は負けていたな」
友であった蟹座のデスレムがオーディンと戦りあったばかりで傷ついていた私達が回復するまでの間、一人で聖闘士の誇りをかなぐり捨てて奇襲と闇討ちを繰り返し、最後にはヒュペリオンと共に冥界に堕ちるまでに半数を倒してくれていなければどうなっていたか分からない。
「デスレムは漢だった。地上の愛と平和の為に文字通り全てを賭けて戦った漢だ。すまん、暗い話をしてしまって」
「いや、気にするなよ。オレも悪かった」
「ちょっと場を離れる。すぐに戻る」
テレポートを使って用具倉庫にまで跳ぶ。壁に身体を預けて少しだけデスレムとの過去を思い返す。初めての出会いは私が黄金聖闘士になってから2年の月日が経過した頃でしたっけ。
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