呉の姫
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り投げると近くの奴等が怯んだ
チャンス!
両足に力を入れて木に回し蹴りを叩き込むと木の根元が粉砕し倒れ
棒立ちした数人を巻き込み下敷きにした
巨木は残り奴の退路を遮断するように倒れる
退路を断たれ1ヶ所に固まった所に手榴弾を投げこむ
「何だ?こ」
!!!!!!!!
一際大きな爆発音がしたが……何故だ?
パラパラと小石が降っている
砂埃が収まると其所には人間だった物が……
バラバラになった肉塊だけが残っていた
「いけね、これ破砕用手榴弾だった」
どうりで威力が強い訳だ
適当に投げては駄目だな、気をつけねぇと勿体ない……
ふと、暁は気がつく
何かがおかしい……静か過ぎる
大きな爆発で戦闘が一旦止まっていた
太陽は空に燦々と輝き場違いな程静かな森
木々の隙間から日の光りが射し込み舞い上がった砂埃が幻想的な光の道を映す
鳥のさえずりと死に損ねた奴の呻き声だけが辺りに響いていた
くそ……まだまだ随分残ってるじゃねぇか
木々や地面起伏で良く見えないが相当な人数が居る
弓を構える者、剣を握る者、槍を持つ者
暁と賊達が睨み合う
「さぁ……第2ラウンドだ」
額の布をギュッと絞め、覚悟を決めて駆け出す
己の死に場所を求め、猛者を求め、欲望のままに戦う狂戦士の如く
孤独な男の戦争が始まった……
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煙と硝煙と血の臭いが鼻をつく
あれからどれだけ時間が経ったのだろうか……
疲労と出血で意識が朦朧としてはっきりと前が見えない
辺りの地面は真紅に染まり臓物、死体、武器などが散乱し
爆弾で吹き飛ばれた出来た穴や木々の弾痕が激しい戦闘を物語る
正に壮絶の一言に尽きる……そんな状態である
暁は大きな木に身体を預け座り込み空を見ていた
今が昼間なのか夜かすら分からない……
そういやぁ昨日からずっと動きっぱなしだ
「全く……年は取りたくないもんだぜ」
そう軽口を呟くと目の前が段々暗くなっていき
そのまま意識が遠のいていった……
「蓮華様!まだ危険です!」
「急いで思春!手遅れになる前にっ!」
手勢を引き連れ暁が殿で残った場所に戻っている孫権
腕利きの配下のほとんどを動員し暁との約束を果すべく先を急いでいた
しかし腹心である甘寧は複雑な心境であった
得体の知れない男……暁 巌
此処で死んでもらえば……始末する手間が省ける
孫家の厄災に成りかねない癌を手を汚さず処理出来るのだ
主人の思いとは裏腹にそう思っていた
「蓮華様……奴はもう死んでいるのでは……」
「2度も命を救われて……その上約束も破る恥知らずになれというの思春?」
「い……いえ!申し訳ありません!」
「血の臭いがするわ……もう直ぐよ!」
暫く進むと其所は
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