暁 〜小説投稿サイト〜
とある碧空の暴風族(ストームライダー)
妹達
Trick52_サバイバーズ・ギルド
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で見ていた。

(ッ! 失敗、したのか?)

目が見えない美雪は、瞼を開けないわけではなかった。

1週間前の時宮からの襲撃直後、目を開いて体中を震わせていた。

その目の焦点の合わないような動きを見て、信乃は強く拳を握った。
自分自身に爪が食い込むのも構わず強く。

(クソッ! クソッ!

 絶対に美雪を巻き込みたく無かったのに! それなのに俺は・・・)

音をたてず、信乃は苦情の表情を受けべていた。


「大丈夫、信乃? 辛そうだけど」

「えっ!?」

それは1週間ぶりに聞く、天使のソプラノ声、綺麗な声だった。

「・・・・バカヤロ、それはこっちのセリフだよ」

「男の子なのに泣いちゃダメだよ、信乃♪」

そう言っている美雪の目にも涙が浮かんでいた。

一歩ずつ、音をたてずに美雪へと近づく。

美雪もテスタメントの寝台から降りて立つ。

その目線は信乃の顔を、間違いなく向いていた。

50cmも無い位置で信乃が立ち止まり、美雪が信乃の顔を見上げる。

「ほ、本当に・・・治ったんだよ・・・な?」

「・・治ったよ」

美雪は信乃の胸へと顔を埋め、背中に手を回して精一杯に抱きついた。
とはいっても平均よりも力の弱い美雪が精一杯であっても、それは適度で心地よいだけである。

信乃も美雪の頭と背に手を置いて、その存在を確かめるように撫でた。

「おかえり、美雪」

「ん♪」



「僕のこと、忘れていないかね?」

一番の功績者であるカエル医者はただの空気と化していた。



つづく

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