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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾
反董卓の章
第10話 「は、疾すぎ……る」
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えよ! 全軍、構え!」

 私の声に、槍隊は槍を構え、弓隊は弓を引き絞る。
 関から溢れ出てきた敵兵は、皆槍や剣を手にこちらへと向かってくる。

 敵の陣形は魚鱗。
 おそらくは一点突破を図る気だ。
 すでに敵の先陣は一里(五百m)を切り、遠矢ならば届く距離。

 だが、まだだ。
 まだ早い。

「全軍、息を吸えー!」

 私の声と共に、皆の深呼吸の音。
 そして、私自身も吸い、瞬時に目を見開く。

 敵はすでに半里を切っていた。

「第一射、放てーっ!」

 弓隊が空へと矢を放ち、それが地に吸い寄せられるように落ちていく。
 そして先頭の少し後ろに降り注いだ。

「ぎゃっ!」
「がっ!?」

 だが、敵はそのまま陣を突破しようと突撃してくる。
 そこにあるのは、丸太で組んだ柵。

 人がそう簡単に乗り換えられない高さの壁。

「おおおおっ!」

 敵はその丸太で組んだ柵の隙間から槍を突いてこようとする。
 だが、それはこちらも同じ。

 丸太を挟んで、槍隊同士が穂先を合わせる。

「柵を乗り越えさせるな! 登ろうとするものは突け! 弓隊! 第二射、放てーっ!」

 弓隊の第二射は、丸太の柵を越えた程度の低さで連射させる。
 すると、柵で止まっていた敵兵たちが、その矢を食らって倒れていった。

「出来る限り柵を壊させるな! だが柵が壊れたら、次の作戦に移る! 各隊、奮起せよ!」

 そう叫んだ私の傍で、柵を挟んで敵から槍が投げつけられる。

「甘い!」

 私は、槍を愛槍『龍牙』で弾き、柵越しに敵の胸元を突き刺した。

「ぐはっ……」
「弓隊! 手を休めるな! 時折緩急をつけて、矢を撃つ地点を変えるのだ! まだまだ敵は来るぞ!」

 そうだ。
 戦いはまだまだこれからなのだから。




  ―― 関羽 side ――




「柵正面! 敵の魚鱗とぶつかりました!」
「そうか……敵の数は!?」
「およそ三万! 軍師様の壱之策、その予想通りです!」

 うむ……ということは、そろそろだな。

「伝令! 本陣より『壱のまま作戦開始』とのこと!」
「了解した!」

 作戦開始。
 それは敵の前衛が、関をほぼ出きったということ。

 残るはおそらく霞の守る約半数。
 だからそれを……

「聞けぇ! 我が第一軍の兵達よ! 予定通り、騎馬隊は私とともに突撃! 他のものは前後の敵を打ち払え! 我らが第一軍こそが、劉備軍の核であることを見せ付けるのだ! 鈴々の第二軍に負けるなよ!」
「「「 オオオオッ! 」」」
「では行く! 水関の崖に添って進めぇ!」

 私は即席の騎馬隊二千、そして第一軍残りの九千を
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