歌い手、和む
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確定なものだから確信はできない。でも、もうひとつの理由ならその方法は意味がなくなる」
「その理由って?」
「参加者は、“主催者権限”を使うことはできない」
「あ・・・」
先ほど自分で言った中にあるのに、すっかり忘れてた。
そうだ・・・さっき言ったみたいに裏をかき、入れたとしても使用が禁止されてる。
そうである以上、僕が言った方法は警戒する必要がない。
「自分で言っておいてすっかり忘れてた・・・うわー、恥ずかしいな・・・」
「別に恥じることじゃない。それに、奏のおかげでやっぱり警戒したほうがいいことが分かった」
サンドラちゃんはそう言って立ち上がった。
「まだ箱庭に来て間もない奏でも、このルールのひとつの裏をかく方法が思いついた。なら、もっと知識がある人なら全部の裏をかいて使う人がいる可能性は高くなる」
しまった。余計にプレッシャーを与えてしまった。
少し考えれば、こうなるかもしれないことぐらい分かるだろ、僕・・・
「だから、もっと警戒しない、と・・・」
「おっと」
で、サンドラちゃんはフラフラしだしたと思ったら倒れた。
慌てて支え、様子を見てみるが・・・
「すう・・・すう・・・」
「よかった。寝ちゃっただけか」
よくよく考えてみれば、この子もまだ十一歳。もう起きているにはつらい時間帯だ。
もしかしたら仕事の関係で夜遅くまで起きていることに慣れてるのかもしれないけど、今回は初の“主催者”として、それなりに緊張もあったはずだ。疲れはいつも以上に溜まっていただろう。
僕はそのままサンドラちゃんを抱き上げて、サラマンドラの人に案内してもらいながら部屋まで運んでベットに寝かした。
そのあと、トイレなどを済ませてから部屋に戻ると、リリちゃんが椅子に座って、こっくりこっくりと舟をこいでいた。
確か、部屋を出るときには寝てたはずなんだけど・・・
「あ、奏さん・・・おふぁえりなさい・・・」
「うん、間違いなく眠いよね。どうして起きてるの?」
「トイレに行こうと目を覚ましたら奏さんがいなかったので・・・帰ってくるのを、待ってました・・・・」
せめて書置きくらいはしておくべきだったと反省。
まさか、帰ってくるまで起きているとは思わなかった。
「ゴメンね、何も言わずに出て行って。じゃあ、一緒に寝ようか?」
「ハイ・・・」
リリちゃんはもう歩けるとも思えなかったので抱きかかえ、そのまま布団に入って寝ました。
あと、こんなことを言うのはどうかと思いますし、変な趣味だと誤解されそうですが・・・二人の寝顔は、かなり可愛かったです。
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