歌い手、和む
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「だから、何かしらの行動を起こしたら、そのときは私が・・・」
「でも、主催者顕現については、もう対策をうったんでしょ?」
僕は、あの場で見せてもらった羊皮紙の内容を思い出す。
「たしか・・・コミュニティ間でのゲームの開催禁止。“主催者権限”を持つ人は、この都に入るためにホストの許可が必要。“主催者権限”の使用禁止。参加者以外の進入禁止。だっけ?」
「うん。白夜叉様の主催者権限を使って追加した、今回の誕生祭のルール。でも、ここは箱庭だから・・・」
「何が起こっても不思議ではない、と?」
「うん。だから、できる限り警戒はしておくべき」
おそらくだが、階層支配者としての責任も感じているのだろう。どう考えても、その歳で背負うには重すぎる責任を。
そして、一つ気になることがあったので、ここで質問してみることにした。
「そういえば、白夜叉さんから今回のルールについて聞いたときにも思ったことがあるんだけど、質問しても?」
「うん、どうぞ」
「じゃあ遠慮なく。このルールって、僕みたいに条件を満たしたら“主催者権限”を持つ人はどういう扱いになるの?」
「もちろん、対象外。わざわざ手に入れることができるかもしれない、位の人まで対象にしてたらきりがない」
「いや、そう言うことじゃなくて」
サンドラちゃんが首を傾げるのを見て、少し説明を省きすぎたか、と反省する。
「例えば、僕の場合はこの“共鳴”のギフトのおかげで、これを持つ人が近くにいたり、持ってる人と何かしらの契約で?がってるとき、霊格があがる。で、“音楽シリーズ”全員と共鳴することで、“主催者権限”を手に入れることができる。ここまではいい?」
「うん。それくらいは、少し知識がある人なら知ってること」
たまに思うけど、この“音楽シリーズ”のギフトがそこまで有名だと言うことに実感が湧かない。やっぱり、自分のことはよく分からないよね。
「だから、僕の場合はこうして何の問題もなく“煌?の都”に入れてる。じゃあ、もしも“音楽シリーズ”持ちが、順番にここに入った場合、どうなるか分かる?」
「この都の中で“主催者権限”が生まれる・・・」
「そう。で、“入ることを禁ず”だし、元から入ってた人は対象から外れるんじゃないかな、と」
「それは確かに・・・ううん、でも問題はない」
少し悩むような仕草を見せたサンドラちゃんだが、すぐに否定して来た。
「問題ない、とは?」
「まず一つ目に、そんな特殊な形で現れる“主催者権限”は“音楽シリーズ”の“歌い手”くらいで、早々ないから」
「あーそっか。レアケースなのか」
まあ、だからといって他にいないと断言できるわけではないだろう。
では、何故問題がないのか。
「でも、この理由はかなり不
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