一部【スサノオ】
八章【疑心】
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善のチップを選ぶのは大変だったよ」
「そういう事ではないのではなくて?」
クラウリーの言葉に首をかしげるウォルター。
「何でこんなものを?…つか、こうやって特定のユーザーを優遇するのはGMとしてありなのか?」
「いや、もちろん基本的には認められていないよ。ただ、君たちの可能性を見てみたくてね」
「可能性?…どういう意味です?」
ふぅ、とため息をつくとウォルターは重々しく口を開く。
「もちろん根拠なんかないよ?何となく零君には何か惹かれるものがあってね…。そして、その仲間の君たち…これは僕の実験の一環だと思ってもらっていい。僕のこの行動がこの先この惑星に、そして『僕たち』にどんな影響をもたらすのか興味があるのさ」
「…なんか、釈然としない理由だけど。まぁ、俺はもらえるものは貰っておくぜ」
「あとで変な要求とかしたりしないですわよね?」
「もちろん、見返りなんて求めていないよ?第一これは報酬物として渡すはずのものだったんだから」
「なら、貰っておきますわ」
完全には納得しないながらも武器へとエクステンドチップをインストールする二人。
…何かおかしい。
そんな理由でこんなチップを俺たちに?
再びよぎる、哲二に気をつけろというGの言葉。
零はふとウォルターへと目を向ける。
普通に笑ってるようにも見えるし、何か企んでいるようにも見える…。
疑心を持ち始めた零にはもはや正確にウォルターの表情を読み取ることすら困難になっていた。
仮に、これを俺たちに渡すことで自分には何のメリットが?
それとも本当にただの興味からの行動?
考え込む零。
考えれば考えるほど頭が混乱していく。
「おい、零!そろそろ行こうぜ!」
「あ、はいっ」
そんな零を引き戻したのはジャックの言葉だった。
(考えても仕方ない…か)
そう自分に言い聞かせ、零も再び歩き出した。
※
ほどなく歩くと、その洞窟は姿を現した。
草原エリアを抜け、軽く山脈地帯に入った所にその洞窟はあった。
『ファーストライン』
そう呼ばれるこの山脈はその名の通り、調度フロンティア1とフロンティア2との境目。
その洞窟を前に3人は各々武器を生成し先ほどウォルターより受け取ったエクステンドを発動する。
「エクステンド!クーフーリン!」
「エクステンド!オズワルド!」
「エクステンド!アマテラス!」
それぞれ固有の形状へと変化する武器。
ただし、零を除いては…
「あれ?俺のだけ変化しない?」
「あぁ…」
状況を理解しているウォルターは零へとエクステンドを解くように促す。
「言っただろ?それは君の想いの強
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