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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第54話 過去の痛み
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いのだが。今まで見たことも無いリュウキの姿を見て、キリトも意を決した。
リュウキの存在が救いになっていると言ってもおかしく尚程に、リュウキからは貰っているんだ。
今は、この男の力になってあげたい。それは、数少ない機会だとも思えるから。
勿論、彼が言いたくない、と言うのなら、考えるのだが……、それは無かった。
「……今日、レイナと会った」
リュウキは俯いたまま、話しだしたから。
「……レイナ? ああ、アスナの……」
リュウキの口から発せられる名、キリトはその名前は勿論、知っている。
あの血盟騎士団でも有名な姉妹であり、双・閃光の異名を持つ姉妹だ。そして、自分にとっても縁のあるプレイヤーだとも言える。何せ、初めてのフロアBOSS戦を共に戦ってきたし、そこから先も、何かと共に戦ってきたのだから。
だからこそ、判らない事がある。この今のリュウキの状態と、レイナの事。それが全く繋がらないのだ。
「レイナがどうかしたのか……?」
キリトには、様々な推測が浮かんでいた。
その内の1つが、レイナがリュウキに危害を加えようとしたのか? だ。
このリュウキ相手に正面からの 正攻法では技量的にも無理があるから、罠にはめたり、人質等の手段を使ったのか、と。
だが、何にしても、信頼にたる相手の裏切り。そんな事があったとすれば、如何にリュウキでも動揺は隠せないとも思える。レイナはビーターと言われ続けていた自分達にとって、数少ない信頼出来る人物の1人なのだから。
だが、キリトのその想像の答えは直ぐにでる。それはまず、『ありえない』という答えがだ。
何故なら、彼女がリュウキを見る目は、その類とは全くを持って違う、180度違うからだ。
毎層での攻略会議の時もそうだ。彼女はしきりにリュウキの方を見ていた。そして、リュウキが姿を暗ませたら……その表情に寂しさや怒りの様なものがよく判った。
キリト自身も恋愛の類は経験が無いからはっきりといえるものじゃないが、レイナの様に、あれくらいあからさまであったらわかるのだ。それにクラインも、会議中の彼女の様子を、羨ましそうにしながら、耳打ちして、実況している事もあった。その時のレイナは、微笑ましささえ浮かぶ程、頬を紅潮させながら、膨らませていた。
そう、レイナがリュウキを見る目は、レイナを知っている面子からすれば大体はわかる、だからこそ それは、決してありえないと言えるのだ。
キリトの見解だが、レイナは姉とは違って明るい性格だと思える。
アスナは、攻略の事、その事が頭いっぱいと言う感じだったが、上手くそれを抑えつつ息抜きをさせてあげているのがレイナだ。
姉妹だから、と言う理由もあるだろうけれど、本当に理想的な、構成のパ
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