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フェアリーテイルの終わり方
一幕 檻に自ら帰ったウサギ
2幕
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ッパイ入って来たの。ココはわたしのなのに。だから『入らないで』って言った。カミナリがいくつも落ちてきて、広がって、兵隊さん倒れた」
「そのカミナリでフェイも倒れちゃったと」
「よく覚えてない」
「兵隊さんいっぱいで怖かったでしょうに、よく頑張りましたね」『イイコ、イイコ〜』

 エリーゼがフェイの頭を撫でる。フェイは首を傾げてエリーゼを見返したが、すぐに力を抜いて受け入れた。
 相手はエリーゼより年上なのに、これではエリーゼのほうがお姉さんだ。

「よく考えたら、パパがわたしのために来るわけなかった」

 フェイはひとり納得顔でこくこく肯いて、すっくと立ち上がった。

「戻る」
「戻るって」
「マンション」
「あ、マンションに住んでるんだ。どこ?」
「トリグラフ。マンションスール」

 ひょっとして、とレイアはルドガーをふり返る。ルドガーも分かったらしく。

「それ、ウチのマンションの近くだ」
「じゃあ、どうせだから送っていく? 一度はトリグラフに戻らないといけないし、この子一人でほっとくのもちょっと心配じゃない」

 それは確かに。メンバー全員が神妙に肯いた。個性がバラバラなメンツなのに、ここまで意見が一致するのも珍しい。レイアはつい苦笑いしてしまった。

「そういうことになりましたが、フェイさん、私たちがご一緒してもご不快ではありませんか?」
「フカイ、じゃない。いい。ヘーキ」
「では短い旅路ですが、よろしくお願いいたします。私はローエン・J・イルベルトです」
「わたし、レイア・ロランド。これでも新聞記者なんだ」
「ジュード・マティス。このヘリオボーグ研究所の職員だよ」
「とりあえずアルヴィンって呼んでくれ。果物商人やってる。よろしくな」
「エリーゼ・ルタスです。こっちは友達のティポ」『よろしくね〜』
「ルドガー・ウィル・クルスニクだ。いいか、ルドガー、だからな」
「エルはエル。こっちはルル」
「ナァ〜」
「――ローエン。レイア。ジュード。アルヴィン。エリーゼ。ルドガー。エ、ル。ルル。――うん、フェイ、覚えた」

 一人一人を指さし確認してから、フェイは小さく肯いた。
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