暁 〜小説投稿サイト〜
『曹徳の奮闘記』改訂版
第一話
[2/3]

[1] [9] 最後 最初 [2]次話
そこが問題だよなぁ……」

 俺は眠そうな目を擦る。

 ……悩んでも仕方ないし、厠にでも行くか……ってッ!!

「どわぁッ!?」

 俺は躓いて転けた。

 そして書簡が積まれていた棚から書簡が落ちてきた。

「いつつ……げ、書簡を直さなあかんな」

 ほっといたらまぁた怒られるな。

「……ん?」

 その時、足下に一つの書簡が紐を解かれた状態にあった。

 しかし俺はある文を見て驚いた。

「……日本語……だと?」

 何故かその書簡は日本語で文が書かれていた。

「こんなんあったか?」

 俺は驚きつつも文を読んだ。

「袈裟斬りの斬り方……ってこれは剣術?」

 その書簡には剣術の仕方が書かれていた。

「……まさか過去に日本人がこの世界におったのか?」

 それが事実ならこの書簡が日本語で書かれているのも頷ける。

 取りあえずは読んでみるか。





 結果的に言えばこの書簡は過去にこの中国に来た日本人が残した物だった。

 しかも幕末……戊辰戦争を経験した人物であり、最期は函館で戦死したらしいが気付けばこの恋姫の世界にいたらしい。

 しかもこの他にもある書簡にはある武器や何故か日本酒……濁酒の製造法も書いてあった。

 てかこの武器はよく知っていたよなと思える。

 それに先日、武器庫の片隅に何故かこの時代には無いはずの日本刀があったが恐らくはその日本人が所有していた日本刀なんだろう。

 何故この部屋にあったかは不明だけどな。

 しかも二本もあって、うち一本は何でか知らないが小太刀だ。それに個人的に空手も少しやっていたけど、実践では役に立たない可能性があるけどな。

 路銀もかなり貯めている。

「ま、それより今は勉強だな………」

 それから、勉強と剣術の練習(使用人の一人から剣術指導をしてもらっていた)は遅い時間までやった。







 そして十日後、俺はとうとうこの家を出る事にした。

 正直、曹嵩のイジメには耐えられなかった な。(よく十二年も耐えれてたわ。あ、歳は十九ね)

 皆が寝静まった夜中、俺はこっそりと塀を乗り越えて着地した。

「さて、追っ手が来る前にちゃっちゃと逃げるか」

 一応、旅の商人の恰好はしてるけどな。(それ用の服は買っている)

「……俺を育ててくれてありがとう。じゃあ な、俺をイジメた人達よ」

 俺は生家に御礼を言い、曹嵩達への言葉を 言って夜の闇の中に消えた。

 翌日、曹徳が消えた事を知った曹嵩は「育ててやった恩を忘れおったな曹徳ッ!!」と激昂して見つけ次第打ち首にしろと命令をして曹徳の捜索を開始した。

 しかし、曹徳
[1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ