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久遠の神話
第五十八話 大刀その一
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                      久遠の神話
                  第五十八話  大刀
 コズイレフの剣は片刃だった、その刀は巨大だった。
 刀身は先が広く丸い、大きさはスペンサーのあのグレートソードよりも大きい、大石はその刀を見て言った。
「ブロードソードですか」
「うん、そうだよ」
「巨大な片方の刃」
「僕の剣はこれなんだ」
 この刃だというのだ。
「そうなんだ」
「そうですか、そして力は」
「熱だよ」
 それだというのだ。
「僕は熱を使うんだ」
「熱ですか」
「炎ではないけれどね」
「その力で、ですね」
「僕は戦うよ、今もね」
「それでは」
「うん、はじめようね」
 コズイレフは大石に告げた、そして。
 高代も彼からコズイレフに言った。
「ではいいですね」
「貴方ともだからね」
「はい、戦いましょう」
「それでは」 
 こう話してそうしてだった。
 三つ巴になって戦う、まずはだった。
 大石が剣を振るう、そうして。
 無数の風が起こりそれで高代とコズイレフを攻めた、だがだった。
 まずは高代がだった。剣を構え。
 十字に振った、すると。
 周囲に光のバリアーを張った、それでだった。
 大石の風を防ぐ、それを見て聡美は言った
「このままでは」
「三人共ですね」
 あの声が何処からともなく言ってきた。
「倒れますね」
「これも貴女のお考えでしょうか」
「そうなりますね」
 声も聡美の問いを否定しない。
「彼等が戦い力を放ち」
「そしてですね」
「その力が糧となるのですから」
「神話の頃から。そこまでされて」
「貴女もわかっている筈です」
 声は沈痛な色を見せて聡美に言う。
「愛する者と別れる辛さは」
「あの方は亡くなってはいません」
 聡美は声の言葉にこう返す。目の前では。
 コズイレフがその巨大な剣を野球で言うフルスイングの要領で風を払った、そしてそれを払うと共にだった。
 剣から熱気、まるでマグマの様なそれを放った、それで大石と高代を同時に襲う。
 だが大石はその熱気を上に跳び、高代はバリアーで防いだ。その三つ巴の戦いを見ながら声に答えたのだ。
「決して」
「それはその通りです」
 声もそうだと言いはした。
「あの方は亡くなってはいません」
「その通りですね」
「しかしです」
 だがそれでもだというのだった。
「あの方は眠っています」
「神話の頃より」
「だからこそです」
 声にある沈痛なものが強まる。
「私は決して諦めません」
「剣士の人達を使って」
「罪を犯した者達ではないですか」
 声の言葉にあるものがあった、それは己への免罪符だった。 
 その免罪符を持ちながらこう言うのである。
「そ
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