「GROW」
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敦と一緒に立ち上げた会社、GROWは順調に利益をあげていた。
主だっての仕事は、警備員や工場作業員や現場作業員の派遣とスケジュール管理。
職員も10数名在職し、毎日電話の鳴りやまない忙しい会社に成長していた。
実際、契約先を見つけて来るのは敦であった。そうして最前線で動き続ける社長に職員達は皆信頼を寄せ尊敬していた。
それ以外にも、職員達の家族を集めてのバーベキューなどサービス精神あふれる行動が一層人気に拍車をかけていた。
しかし、ひとつだけ専務である僕にも一切関与させない仕事があった。
「バウンサー」の派遣業務。
いわゆる、クラブやイベント会場などで揉め事やトラブルなどの解決を行う人間である。
そのほとんどが格闘技経験者や、ストリートファイトで名の知れた人間である。
裏を返せば、そういった人間でないとできない仕事なのだ。
当然このバウンサーによって痛い目をみた人間もいるわけで、仕返し等を企む輩も少なくない。
なぜ敦は、会社を危険に晒してまでこの仕事を引き受けたのか。
むしろ自ら進んで行っているようにも見える。
しかし、敦のおかげで今の生活をさせてもらっているという自覚のある僕や職員達がその件に意見することはなかった。
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