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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
海に行ったら、黄昏る その一
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りそう言うとクスクスと笑い声を上げる。

「おい、嫁さんって」

「ごめん、冗談だよって、あっ! 織斑くんだ。織斑くーん。あとでビーチバレーしよ〜」

俺に謝ったかと思うと、一夏を発見した女子たちは一夏めがけて走り去った。

「おー、時間があればいいぜ」

なんて一夏の声が聞こえてくる。
更衣室に着替えに来たのだろう。
俺は一夏に「よう」と挨拶をし、先に着替えた事のあらましを説明すると、「お前も苦労してるな」と慰められた。
どっちかというと俺よりも一夏の方が大変だろうと言いたい所だ。
俺は一夏に一足先に行っているぞと言って砂浜に向かった。

俺の目の前に広がる光景は、天候は晴れ、青い空には白い雲、その空には地上を照りつける太陽、白い砂浜に打ち寄せる波。
ありがちな表現だがこんな感じだろう。
俺は人類初めて月面に足跡を残したフォンブラウンのように、砂浜に第一歩を踏み出した。
足裏が熱かった。
冗談じゃなく。
紛れもなく。
洒落にならないほどに。
砂浜に着いた足が焼けるような熱さが伝わってくる。
その刹那、俺は一歩飛び退いた。
熱いというレベルじゃないぞ。
波打ち際に着くまでに足裏がヤケドするんじゃないか? これ。
などと思いながらさっき砂浜に着けた足をヤケドしていないか確認をする。
どうしようかと悩んだ俺だが、アルプス越えを決意したハンニバルのように砂浜に一歩を踏み出し、海水に浸かるまでの我慢だと足を動かした。
なるべく足裏が砂浜への接地時間を減らすために、まるで水面を走る要領で足を素早く動かし、海へとひた走った。
周りから見ればずいぶんと滑稽な走り方に見えただろう。
足を素早く動かしている割には前に進んでいないからな。
現に、砂浜のあちこちから笑い声が聞こえていた。
何とか波打ち際までたどり着いた俺は、足を海水で冷やす。
適度に冷たい海水と、水分を含んだ砂が何とも心地よい。
しばらくその感触を楽しんでから砂浜に戻って適当な所に座る。
表面の熱い砂は蹴り飛ばしてやった。

「しけた顔してるわね、アーサー。せっかく海に着いたのに泳がないの?」

砂浜で体育座りをして海を見ながら黄昏ているこの俺に声を掛けてきたのは、鈴だ。
俺は女子の着ける水着にはあまり詳しくないが、オレンジ色をしたスポーティなタンキニンタイプって言うんだっけ? そんなやつで、へそが見えている。
こうやって声を掛けてくれるのは、一夏ハーレム五人衆のなかでは鈴は比較的仲がいいからだ。

「遠慮しておくよ。海は泳ぐより眺める方が好きなんだ」

「ふーん……。アーサー、もしかして泳げないん
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