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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
海に行ったら、黄昏る その一
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先生方の目の届かない男しかいない部屋の場所をうっかり漏らそうものなら、その部屋には女子たちが押し寄せる津波のようにどっと押し寄せてくるのは目に見えている。
あっという間に部屋は立見席が必要なほど満員御礼になるだろう。
俺が一夏と同じ部屋なら、その被害は当然のように俺も被ることになるのだから他人事ではない。
一夏の予想では廊下で寝るんじゃないかと言っていたが、それを聞いたのほほんさんが、

「私もそうする〜」

何てことを言っていた。
俺はそんなのご免だ。
布団部屋でもいいからプライベート空間が欲しいよ。
アニメ版のほほんさんは一夏と遊ぶために遊び道具を持参していたのだから、ここにいるリアルのほほんさんもきっとそうなのだろう。
そろそろ声が掛かる頃だろうと身構えていると、予想通りというか、ご存知の通りというか、ここで俺と一夏は声を掛けられることになった。

「織斑、お前の部屋はこっちだ。、ついてこい。それからベインズ。お前は山田先生に着いていけ」

そう告げた織斑先生は一夏を引きつれていった。

「じゃあ、またあとでな」

俺と一夏、どっちが先だったかは知らないが、両方の口から自然とそんなセリフが出た。

一年一組の副担任、山田真耶先生。
背丈は生徒とほとんど変わらない緑髪の眼鏡っ娘。
先生だと言われなければ先生だと思えないような容姿。
そんな先生だが強力な武器を持っていた。
山田先生は――とても、とてつもなく、魅力的な胸部をお持ちだった。
まあ俺も、IS学園に転校して以来ずっと山田先生を見ていたのだから、今では慣れたもので、年頃の男子である俺であっても、悟りの境地に至ったお坊さんのように、そこに存在するだけでは何の問題もないくらいには慣れた。
どんな強力な武器も当たらなければどうという事はないだろう。
この場合の『当たる』とは俺の身体に触れるって事だが、俺の背中に山田先生がしがみついてみたり、腕にしがみついてみたり、ましてや胸に飛び込んで来るなんてシチュエーションがあるわけでもないのだから、俺にとってはまったく脅威の対象になりえないといっていいだろう。

「行きましょう、ベインズくん」

山田先生に促され、俺は後ろを着いていくことになった。
まるで飼い主に売られた子牛の気分になってくる。
ドナドナってやつだ。
そんなことを思いながら歩いていると、間もなく俺は寝泊まりすることになる部屋に到着した。

「ここです!」

不動産屋が、我が社の所有する物件で一番のお薦めですみたいな表情で、右手で部屋を指し示した山田先生はそう言った。

「……あの、この部屋って」

「はい、わたしの部屋です」
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