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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
海に行ったら、黄昏る その一
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がはっきりと言えばIS学園のイベント関係にはあまり参加したくない。
なぜかと問われれば理由なんて言わなくても解るだろうが、まるで名探偵がどこかに出歩く度に事件に巻き込まれるように、一夏がIS学園のイベントに参加するたびに何か事件が起き、中止になるのが解っているからである。
今回もそうなるだろう。
無駄な努力とまでは言わないが、事件が起こると解っていてそれに巻き込まれるのはご免被りたいところだ。
まあ、こんなことは原作知識がある俺だからこそ言えることなのだろうが。
今回は一夏の命がかかっているからな、協力してくれと言われれば協力するにやぶさかではない。

IS学園の一年生の生徒たちはバス四台に乗り込んで目的地の旅館に向かうわけだが、着くまでにバスの中で散々騒ぎ倒し、気がつけばいつの間にか目的地まで運ばれていたなんてことになっているかもしれない。
バスの中で騒ぎ過ぎて旅館に着いた頃にはすでに疲れ切っているヤツもいるんじゃないだろうか。
俺の予想通り、バスの中で散々騒ぎ倒して目的地に着いた俺たちは、バスから順次降り、今日からお世話になる和風建築二階建の旅館の前に整列をした。
正面からは建物全体を見渡せないが、IS学園の一年生全員と引率の教師が泊まれるほどなんだから旅館はよほど大きい建物なのだろう。

「それでは、ここが今日から三日間お世話になる花月荘だ。全員、従業員の仕事を増やさないように注意しろ」

一年一組の担任教師、今日も黒のスーツにタイトスカートといういでたちの織斑先生のありがたいお言葉を拝聴した俺たちは、

「よろしくお願いします」

と元気に挨拶をする。
挨拶をした相手は織斑先生にではなくて旅館の入り口の前に立つ女性にだ。

「はい、こちらこそ。今年の一年生も元気があってよろしいですね」

笑顔で挨拶を返してくれたのは着物姿のよく似合う女将さんらしき人だ。
年の頃は三十代……いや、女性は年を気にする人が多いからな、こういう場合は二十代後半に見えると言っておこう。
接客業の練達者といった感じで、気品があり、物腰やわらかく、落ち着いた大人の雰囲気を漂わせている。
そういえば、この旅館には毎年ISがお世話になっているらしい。
ちなみにさっき俺たちが挨拶をした人は、この旅館の女将さんで清洲景子さんというそうだ。
その人に挨拶を終えた生徒たちは事前に作られてる部屋割りにそって自分たちの部屋に向かうことになるのだが、俺と一夏はというとその部屋割りには名前が存在しない。
俺たちの名前がないのは、安全対策の一環だと思っておこう。
外敵に襲われる可能性がないとはいえないが、どちらかといえば女子の対しての対策といっていいだろう。
もし
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