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World of Destiny Crossed―魔法少女と剣士の物語―
第一部
魔法少女と剣士
謎の視線
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 ずるっ!……先生よ。それは重要な事なのか。

「えと……どっちでもいいんじゃないかと……」

 中沢君は微妙に引き吊った愛想笑いを浮かべながらそう答える。すると先生はその通り!と拳を突き上げる。

「そう、どっちでも宜しい!たかが卵の焼き加減なんかで女の魅力が決まると思ったら大間違いです!女子の皆さんはくれぐれも!半熟じゃなきゃ食べられないとか抜かす男とは交際しないように!そして男子の皆さんは絶対に、卵の焼き加減にケチをつけるような大人にならないこと!」

 テンション高いなー。どうしたんだろうねこの人。すると、教室のあちこちで囁き声が聴こえてきた。――別れたか……、別れたんだねぇ……、と。

(ああ、なるほど。……って確かこの人三十路過ぎてなかったか?)

 思わず同情してしまう。世の中にはゲーム内で知り合って結婚して、現実世界でもイチャコラしてるやつだっているのに……。

 などと考えていると、クラスにどよめきが響いた。意識を現実に戻し前を見ると……
 黒い長髪に人形のように整った顔立ちの少女が立っていた。

(……ん?)

 その少女が一瞬俺に目を止めると、何故かひどく動揺したように目を見開いた―――ような気がした。

(気のせい、だよな?)

 現実世界、仮想世界両方で会ったことが無いと確信できる。これ程の美人と言ったら中々お目にかかる事はまず無い。

(にしても……)

 何だあの目は。その昔、向こうで《狂戦士》と呼ばれていた某フェンサーさんを彷彿させる眼光を放つそいつは……何と言うか……違和感を俺に残した。

「はーい、それじゃ自己紹介いってみよー」

 どよどよと盛り上がるクラスを静めようと和子先生が言う。

「暁美ほむらです、よろしくお願いします」

 以上。




 ……暁美さん、あんたマジでどこのネットゲーマー?






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