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World of Destiny Crossed―魔法少女と剣士の物語―
第一部
魔法少女と剣士
謎の視線
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だ。このクリーム色の石畳――と言うと少しゴツイ感じがするが、正確な名称を知らないので仕方ない――を道なりに行けばもう学校へ到着だ。
 新しいものと古いものが混ざった印象を受けるこの町は再開発によりどこに住んでいても近くにスーパーや公共の交通手段が利用できるようになっている。計算し尽くされた交通網は渋滞を緩和し、事故も起きにくいようになっているそうだ。あちこちに公園が点在し、ペット連れも多い。

 一方で町にエアポケット的に存在する廃墟の撤去時期の問題等か発生しているが、そこは気長に待つしか無いだろう。

「…………ん?」

 周りを歩いていた生徒達が何故か脇にそれ、ヒソヒソ話ながら中央を見ている。ぼやー、としていたせいで俺はその現況のすぐ側まで近づいてしまっていた。
 じゃれ合う2人の少女とそれを呆れたように見るもう1人の少女。3人とも知り合いであり、うち2人は腐れ縁だ。

「おはよ、志筑さん」
「あら、おはようございます。朝宮さん」

 志筑仁美。清楚なお嬢様という印象は間違いでは無く、ガチお嬢様だ。ちなみにこの人の親父さんが経営している会社の子会社の1つに勤めているのが俺の母親だったりするが、その事実を知っているのは俺とまどか母だけだ。

「……で、これは?」
「ええ、何時ものじゃれ合いですわ。……そろそろ止めませんと」

 周囲の視線が痛いね。やれやれだ。俺はため息を吐きながらじゃれ合い続けている2人の内ちょろちょろ動き回って「まどかはあたしの嫁になるのだ〜」などと変態発言をしている方の少女の足をかるーく引っ掛ける。

「わぁ!?……って痛ぁ!?」

 盛大にバランスを崩しつつ後ろに倒れ込んできた少女の後頭部を拳でど突いて支える(殴る)

「アホやってないでキリキリ歩け。通行の邪魔だ」
「あ、悠君おはよ」
「おはよ、まどか」
「……いきなり何すんのよ!?」
「はいはい。行きますわよ、さやかさん」
「きーけーーー!!」

 後ろで騒いでいるさやかを完全に無視して歩き出す。……この光景は特別珍しくもなく、シュチレーションは時々に違えど、日常の一部だった。

「んー、今日も平和だ」
「もう、年寄みたいだよ?」
「早くまったりと暮らしたいね〜」
「……はぁ」

 隣でまどかが呆れ返っているような気がするがそれも無視。心休まるこの日常を知ってしまった今、俺はもう二度とあの戦いの世界には戻れないだろう。















「えー、今日は大事なお話があります」

 朝のHR。担任の早乙女和子先生は眼鏡をキラーンと光らせながらそう切り出した。ほうほう。何かな?

「はい、中沢君!目玉焼きとはッ、固焼きですかッ?それとも半熟ですか!?」

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