星霊王
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強い口調で言われ、ロキは言葉を失う。
すると、眉を寄せ、何かを考えていた星霊王はゆっくり口を開いた。
「古き友にそこまで言われては、間違っているのは『法』かもしれぬな」
その言葉にロキは目を見開き、ルーシィは笑みを浮かべ、ルーは微笑んだ。
「同胞、アリエスの為に罪を犯したレオ。そのレオを救おうとする古き友。その美しき絆に免じ、この件を『例外』とし、レオ・・・貴様に星霊界への帰還を許可スル」
ルーシィとルーの、仲間を想う気持ちが・・・遂に、1つの法を変えた。
「いいトコあるじゃない、ヒゲオヤジ♪」
「さっすがだね、おじさん!」
嬉しそうにウインクするルーシィと、こちらも嬉しそうにピースするルーに、星霊王は二カッと笑ってみせる。
「免罪だ。星の導きに感謝せよ」
そう言いながらバッとマントで自分の姿を隠し、姿を消す星霊王。
ロキは涙を流しながら、震える声で言葉を紡ぐ。
「待ってください・・・僕は・・・」
まだ罪を償おうとするロキ。
すると、姿はないが、星霊王の声が響いた。
「それでもまだ、罪を償いたいと願うならば、その友の力となって生きる事を命ずる。それだけの価値がある友であろう。命をかけて守るがよい」
その瞬間、ロキの目から涙が溢れ、流れた。
空に伸びていた滝が落ちていき、舞っていた風が動きを止める。
「・・・だってさ」
「王様直々の命令だよ?どうする?ロキ」
響いてきた星霊王の言葉に、ルーシィは嬉しそうな笑顔を浮かべてロキを振り返る。
ルーも振り返り、いつものあどけない笑顔を浮かべた。
ロキも口元に笑みを湛え、左手で顔を覆う。
「見て!扉が・・・!」
ルーが指さした先に、ロキの背後に、巨大な扉が現れる。
温かい光を放ち、ロキを優しく迎える扉。
(これで僕の罪が消えた訳じゃないけど・・・君達には前へ歩き出す勇気をもらった)
涙を流すロキが光になり、扉に吸い込まれていく。
「ありがとう。そしてよろしく。今度は僕が君の力になるよ」
「こちらこそ」
キィン、と。
ロキが完全なる光になって扉に消えていく。
「・・・よかったね、ルーシィ」
「うん」
そう頷くルーシィの右掌には、光を浴びて力強く輝く獅子宮の鍵が残されていた。
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