暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六十幕 「因果応報の彼方」
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本物の蛇の様にうねりながら空を切った“鎌首”はラファールCUのフレキシブルスラスターを器用に縛り上げる。途中でそれを撃ち落とそうと動いた腕も纏めて拘束し、シャルは完全にその動きを封じられた。
こうなってしまえばミサイルも形無し、背部コンテナからミサイルを撃つことは可能だが、文字通り手綱を握られていては当たるものも当らない。必死でもがきながらヒステリックに叫ぶシャルの姿はいっそ哀愁を感じさせた。

「これは何かの冗談だよね!?嘘だ、こんな!こんな間抜けな敗北は嫌だぁぁーーーーーーッ!!!」
「安心しなさいシャル・・・アンタには一番相応しい敗北を与えてあげる」
「僕に、相応しい・・・!?」

完全に形勢が逆転した鈴は嗜虐的な笑みを浮かべながら“鳴動”をポンポンと叩く。

「荷電粒子砲ってさぁ・・・中に入ってる粒子加速器で荷電粒子を加速させて発射すんのよねー」

その言葉と同時にラファールCUがシャルに警告を送る。
《“鳴動”内部に異常な粒子加速を確認 臨界突破の恐れあり》、と。

「じゃあさ、発射しないで中身をずーっと加速させたらどうなると思う?」

そんなのは決まっている。加速器が負荷に耐えられなくなり内部から・・・そう考えた所でシャルは漸く鈴が何をしようとしているのか気がついた。だが世の中には分かったところでどうしようもない事と言うのが存在する。例えば、目の前で起きている事の様に。内部の粒子加速は止まらずどんどん“鳴動”そのものの熱量が増加してきている。既にキャパシタを開放しても反動による自壊は免れないほどに。

「それをISに全力でぶつけたとなれば、さぞかし面白い光景が見れるでしょうねぇ?・・・どうしたのシャル、ここは笑う所なんだけど?」
「は・・・はは・・・」
「ノリがイマイチね・・・まぁいいわ。それで、実は“鳴動”に面白半分で簪のマイクロミサイルの誘導システム組み込んだことがあるのよ。これが思いのほかよく飛んでねぇ・・・」

懐かしむように語る鈴とは裏腹に、いつ爆発するかもわからない二つの爆弾を突きつけられたシャルの恐怖も加速する。あれはいつ自分に放たれる?あれを食らうと自分はどうなる?そもそもあれはいつ爆発する?1秒先か、10秒先か、それとも1分先か。目の前でひたすら風船を膨らまされるような、いつ訪れるともしれない恐怖に涙を浮かべるシャルを見た鈴は満足したように手を翳す。

今回はこの辺で勘弁してあげよう。―――脅かすのは。

脅しは脅し、罰は罰。勘弁すると言ってもお仕置き自体は一切やめる気などない。エネルギーが臨界を迎えた“鳴動”は、鈴の指示に従う様に真っ直ぐシャルの方を向き―――

「ミサイル大好きなアンタのためにとっておきのオシオキよ。多分世界一高価なIS用ミサイルだから、その身で存分に威
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