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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六十幕 「因果応報の彼方」
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れない。そう考えざるを得ない状況に陥った鈴は、非常に不本意ながら所在も存在も分からない神様とやらに祈ってみることにした。

天からの贈り物でもなんでもいいから、アタシを勝たせられる”何か”を――――


「ちょっと失礼するよ」
「あっ―――」
「えっ―――」

言葉を発するのはほぼ同時だったろう。

ガァン!!とラファールCUに衝撃が走り、“プロミネンス”の発射が中断された。衝撃による暴発を防ぐために安全装置が働き、その瞬間だけ“プロミネンス”の銃爪が固定される。ある種それは誘爆の危険性があるミサイルを扱うがために安全性を重視したことが生んだ悲劇だったのかもしれない。


それは偶然半分、故意半分の出来事だった。シャルと鈴が空中で壮絶な連続加速を繰り返していたころ、既にユウと簪の勝負は決着を迎えていた。代償としてシールドエネルギーを使い切り、戦闘不能になったユウの風花は本来ゆっくりと地表に降り、そのまま審判員の指示に従って退避するはずだった。

競技用ISのシールドエネルギーはMAX750とルール決まっているが、実際には表示されない余剰エネルギーが存在する。でなければエネルギー切れで落下、若しくは不幸な事故で操縦者に大怪我を負わすような事態が起きた時に対応できないからだ。その750のエネルギーが無くなった際にその余剰エネルギーを納めたENセルが起動する仕組みになっている。・・・のだが、ここで問題が起きた。

風花のENバイパスが激しい戦闘で一部破損したため余剰エネルギーが流出、結果として落下速度を緩めるための措置ではなく絶対防御維持に努めなければエネルギーが足りず操縦者を守れないと判断したISが、着陸用の減速PICコントロールを全カットしてしまったのだ。そしてその落下の途中、どうにも鈴がピンチに見えたユウは空中で器用に方向転換をし、結果として・・・・・・ラファール・リヴァイブCUに自由落下式体当たり(フリーフォールグラッチェ)を敢行したのであった。

なお、既に戦闘不能判定を受けたISが故意に戦闘に参加するのは立派な反則行為なのだが、生憎シャルと鈴が激しく移動しまわった結果偶然ユウの落下ルートに引っかかっただけとされ故意とは認められなかった。
・・・辛うじて、が文頭に付くが。


まぁ、何にせよである。思わぬ空の贈り物は、シャルの勝利という筋書きを根元から折ってしまったようだ。


「駄目じゃないシャル・・・チームマッチなんだからこういうのも想定しておかなくちゃ!!」
「こんなのって・・・ありなのぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」

そんな隙を晒しては格好の的になる、そんなことは確認するまでもなく分かりきったことだった。鈴は“義聖”を投げ捨て、その手に25m特殊鋼アンカーワイヤー“鎌首”を握り、投擲。まるで
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