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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六十幕 「因果応報の彼方」
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初から」受け取っていたそれは瞬時加速の運動エネルギーを乗せてにシャルの腹に叩き込まれ、六九口径パイルバンカー「灰色の鱗殻(グレースケール)」を上回る衝撃を炸薬と共に爆発させた。
伏せていた札が1枚とは一言も言っていない。武装交換の案を却下したとも言っていない。つまりはそういう事だった。甲龍のある程度余裕のある拡張領域には風花の武装が試合開始時点で既に納まっていたのである。

直撃と共にシールドエネルギーが大きく減少する。灰色の鱗殻・・・俗称シールドスピアーは連続で直撃させれば並のISのシールドエネルギーを根こそぎ持って行くほどの破壊力を発揮する。今の一撃は威力を上昇させる条件がいくつか重なった結果、のべ150のシールドエネルギーを瞬時に消滅させた。これでラファールCUのエネルギーは初期設定値の半分を切る。

ただ、シャルは機体と“義聖”の間に高速切替で弾を撃ち尽くした“グレムリンチェイサー”を盾代わりに滑り込ませていた。結果として粉々に砕け散りはしたが、それでもこの咄嗟にしては上出来な防御のおかげで僅かながら衝撃を吸収できた。その“わずか”が・・・シャルにとっては十分すぎる時間になる。

機体を襲うバンカーの衝撃に全身を振り回される中でもシャルはその手を鈴に向けていた。その手に・・・ガトリングミサイルランチャー“プロミネンス”を出現させる。それはいついかなる状況でも敵を攻撃する手を完全に失わないための執念の形の一つ。
会社のために。夢のために。鈴にはここで、砕け散ってもらう。

「・・・勝つんだ僕は・・・証明するために、勝つんだぁぁぁーーーーーッ!!!!」

高速切替の利点は展開の速さはもとより、展開直後に発射できるという切り替え後のアクションの速さにある。通常なら展開から発射まで若干のラグがあるガトリングと言う兵器も展開した時点ですぐさま弾を発射することが出来るのだ。
量子化を終えて姿を現した”プロミネンス”の砲身はすでに回転を開始しており、その回転が「残念だったな」と鈴を嘲笑った。


鈴は思わず天を仰ぎそうになった。
ここまで食らいついて、ここまで足掻いて、ここまで追いすがってもなお・・・シャルは強い。この戦いで確信したが、シャルの実力は明らかに他の代表候補生たちに比べ抜きん出ている。おそらく学園内の2,3年生を含めても殆どの代表候補生を大きく突き放す卓越した技量と判断力。1年生最強と名高いセシリアでもシャルに勝てるかは分からない。場数、と言っていたが彼女のそれはまるで十年以上空を飛び続けていたかのような動きだった。

“義聖”を振り抜いてから戻すまでの刹那の間にシャルは武器をこちらに向けた。さしもの衝撃加速もここで瞬時に機体を別方向に加速させられるほど器用な真似は出来ない。あとはもう、奇跡でも起きなければ避けら
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