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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六十幕 「因果応報の彼方」
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のどこかで疑い、事前に仕込みをしてあった最高の曲芸。成功確率は40%を切ると言われる超難度加速。
「言ったでしょ、場数が違うって・・・僕にも奥の手はあるんだよぉ!?『
個別連続瞬時加速
(
リボルバーイグニッションブースト
)
』っていうとっておきがぁぁぁぁ!!」
先ほどシャルは瞬時加速で後退する際に4つのスラスターウィングのうち一つだけで加速を行っていた。それこそが布石。4つのスラスターにチャージしたエネルギーを任意のタイミングで次々に開放することで4段加速を可能とした世界レベルの難易度を誇る加速法である。
シャルの勝ち誇った顔が鈴の瞳に映る。まただ。また彼女に届かない。これだけ手を尽くしても出来ないのなら、いったいこれ以上何をすればいい?鈴は己の胸に内に自問し、即座に回答を弾きだした。
「このッ・・・ここまで追いすがってもまだ
札
(
カード
)
を持って・・・ッ!負けるかぁぁぁぁぁッッ!!!」
考えている暇があったらさっさと追いすがれ!!それこそが、彼女の導き出したシンプルな答えだ。
ラファールが2段目の加速を行うと同時に甲龍が再び衝撃加速を使う。衝撃砲への負荷が看過できないレベルに達しつつある綱渡りの追跡。
3段目と瞬時加速。互いの機体が想定していない加速に悲鳴を上げるが、もはやここまで来て後退するという選択肢は存在しない。
4段目と衝撃加速。2回の衝撃加速でラファールは若干ながら鈴と距離を離していた。目算にして1メートル弱、射撃戦においてはさしたる問題にならない開きだ。
シャルに5段目の加速は無い。対する鈴には瞬時加速が残されている。
だが、ここで甲龍のハイパーセンサーに無情なる警告が鳴り響いた。
《シールドエネルギーがレッドゾーンに突入!!》
「あはっ!馬鹿みたいに加速するから!!」
「馬鹿で・・・悪かったわねッ!」
鈴はシャルの言葉に静かに俯いた。甲龍のシールドエネルギーは残り50弱。ラファールCUのシールのエネルギーは残り500強。既にこの差は埋まらない。『
龍鳴鼓咆
(
りゅうめいこほう
)
』も既にエネルギーが足りないため使えない。この勝負―――既に勝敗は決していた。
「そんな馬鹿だから、武装が馬鹿みたいでも許してよね」
「――――!?」
そう、既に鈴には―――勝利の道筋が目前に迫っていた。シャルが見せた一瞬の慢心を全て突き崩すために、”それ”を瞬時加速と同時に振り抜いて、トリガーを引いた。
ゴ ガ ン ッ ! !
「あがっ・・・か、はっ・・・!?」
言葉にならない嗚咽。シャルの身体が”く”の字に折れ曲がる。甲龍の右手に音もなく展開されていたそれはずっとその出番を待っていた。
後付型炸薬式鋼貫手“義聖”・・・ユウからもらったプレゼント。鳴動とは別に「最
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