暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六十幕 「因果応報の彼方」
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いう数式が成り立つ。ラファールが大きな拡張領域を確保できているのも非固定浮遊部位を廃止した構造を取ったことが大きい。

要約して重要な事だけ言うと、非固定浮遊部位はデータ的な視点から見れば通常武装と同じエリアにいる訳だ。だから可能不可能で言えば・・・PIC固定値をあらかじめインプットしておけば―――可能だった。


―――そして現在


「これは推進機能碌にないから風花から貰っちゃっても問題なし!非固定浮遊部位にはそれ自体にバランサー機能もあるから機動も安定する!!」
「・・・すっかり忘れていたよユウ。そういえば君は承章(イロモノ)と同じ血が流れてたんだったね・・・」

しかしこの組み合わせは笑ってしまうほどに有効な手だ。飛び道具が2つから4つに増えるばかりか、彼らが初戦で見せた合体攻撃も一人で行えるようになる。エネルギーの問題もあるが、どうにもユウは鈴のためにシールとエネルギーをいくらか鳴動に乗せてプレゼントしたようだ。何所までも憎い演出だが、ただでさえ不利なのにさらにエネルギーを減らすとは馬鹿としか思えない。

その馬鹿の思い付きが、シャルの計算を決定的に狂わせてしまった。この距離、鈴は間違いなく“アレ”を使ってさらに距離を詰める気だ。だが、それでもシャルの自信は一ミリたりとも揺らぐことは無い。それは、自分の技量への絶対の自信と執念。たとえここから追いつめられても必ず逆転”する”という恐ろしく固い意志が、シャルの平静を確りと支えていた。


そしてついに、その時がやってくる。爆風に煽られスライドアーマーが破損して尚動き続ける”龍咆”の発射口が定められるままに狙いを定めた。―――真後ろに。

瞬時加速とはエネルギーの爆発による加速。ならば衝撃砲のエネルギー性質を弄って「砲身内で爆発させると」・・・どうなるだろうか。そう、そこには疑似的なスラスターが完成する。
これが鈴の切り札。瞬時加速から減速せずにさらに距離を詰める、つまり瞬時加速の飛距離を2倍に増やす掟破りの二段加速方。その名も―――

衝撃加速(インパクトブースト)!!いっけぇぇぇぇぇぇ!!!」

本来攻撃にしか使えないはずの武装が内包していた全く別の可能性。二つの砲身が同時に火を噴き、甲龍はその速度を落とさずトップスピードを保ってシャルに肉薄した―――



―――かに見えた。

あ、と観客の誰かが声を漏らす。
その言葉こそが、鈴にとっての絶望でありシャルにとっての通過点の一つを現していた。

鈴が衝撃加速を行うのと寸分の狂いもなくピッタリのタイミングで―――シャルは機体を翻し、後方を向いて瞬時加速を発動させた。

衝撃加速は瞬時加速よりわずかに飛距離が短い。それは想定された使い方ではない事と調整不足が相まっての事であり、事前に調
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