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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第六十幕 「因果応報の彼方」
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誰もがそう言った。大人も子供もお姉さんも、大統領や大富豪でさえ全く同じセリフを吐いた。だってそりゃそうだろう。ISの非固定浮遊部位はIS本体のPIC値と言う設定で常にその稼働空間と方向を定められているのだ。間違っても「やべ、付いていくIS間違えちゃった?」なんてことは起きないし、武器の様にホイホイ譲渡できるものでも断じてない。
では、何故にこのような事態が起きているのか?それはギャグなどではなくれっきとした理由があるはずだ。
時は、3日前に遡る―――
「ねぇ、鈴」
ホロボード(ホログラムキーボードの事)をタップして切り札の調整をしていたユウがぽつりと隣の鈴に話しかけた。
「なによ、アタシ今忙しいんだけど」
「僕だって同じくらい忙しいよ。いいから耳だけ傾けてね?」
同じく猛スピードでホロボードをタップしている鈴が顔を向けずに続きを促す。彼女もまた切り札の調整をしていたが、二つの策の内一つがアリーナでとった実戦データを用いても3日では形にならないと躓き、もう一つの方を優先で調整していた。
態々このくそ忙しいときに意味のない問答をするほどこの男は馬鹿ではない。だから作業はそのまま耳を傾ける。
「シャルの下に簪がいる・・・ってことは、僕達の手札切り札もシャルにばれる可能性あるよな」
「そりゃ・・・確かにね。で?」
「だからこっちも切り札出すまでに何枚か向こうにとって予想外の札を用意するべきだと思わない?」
「一理あるわね。で、具体的にはどんなの?」
奇策を考えさせるなら鈴よりユウのほうが得意分野だろう。実際一夏との試合では随分器用な立ち回りを見せていたことを覚えていた鈴はユウに策の内容を丸投げした。どっちにしろ提案してきたという事はいくつか考えがあるに違いない。
「そうだね・・・例えば風花の武装を最初からそっちが持っておくとか」
「・・・アンタのISの武装ってイロモノばっかじゃん」
「対IS手榴弾をしこたま投げつける」
「撃ち落とされたら目も当てられないわよ?却下」
「甲龍が風花を抱っこして移動砲台。龍咆、鳴動、残り4本の手に火器を・・・」
「究極的にダサいから却下。風花が後ろだから噴射加速が使えるのが微妙にムカつくところね」
よくもまぁ訳の分からない策ばかり思いつくものだ。こっちはドッキリをしに行くわけではないのだからもっと他にないのだろうか。
「非固定浮遊部位って
使用許諾
(
アンロック
)
して譲渡出来ないかな?」
「・・・・・・・・・何所から捻り出したのよその発想」
非固定浮遊部位は立派な機体の一部とされる。ただし腕や足などの密接部分の展開と異なり、非固定浮遊部位だけは拡張領域と同じ領域に量子化されている。つまり機体の拡張領域は元の容量−(マイナス)非固定浮遊部位と
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