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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五九幕 「トツカノケン」
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のでも、彼女が躊躇うことは決して無い。
= =
鈴がその切り札を切るよりもほんのわずかに前、ユウは既に噴射加速で突撃を開始していた。
残りシールドエネルギー170 。簪を確実に倒すには100のエネルギーを残しておかなければならない。投桃報李による格闘戦では打鉄弐式のエネルギーを削りきれない以上、ユウに残された道はその100のエネルギーを必要とする必殺の切り札のみ。ゆえにエネルギーが100を割り込んだ時点でユウの敗北が確定する。
「上等じゃないか・・・!何度だって博打を打ってやるよ!!」
「噴射加速の速度が落ちた、風花なんて、怖くない」
――噴射加速で消費するエネルギーを多めに見積もって20とし、ミサイル突破に使える残りエネルギーは50。
噴射加速を開始した風花。その姿に簪は一瞬違和感を覚えたが、その違和感の正体が分からないままジョークポットを投げ捨て、春雷のチャージを開始。ミサイルを突破した際に狙い撃ちにする腹積もりだろう。
バリアを装甲の無い部分のみに展開し、足や腕は主要なパーツ付近だけ展開。弾速の速いシャルのクラスターAP弾が装甲やパーツを削るが問題なく直進する。直後、ミサイルが一発直撃コースに入る。
――バリア展開で防御に回すエネルギーがミサイル命中時の消費も含めておよそ40で、残りエネルギーは10。
ミサイルの本領は相手を追いかける事ではなくその爆発と衝撃。当たらなくとも相手を爆発に巻き込めればいいのだ。そのために近接信管が存在する。
だがユウはそのミサイルを右手で受け流すようにそっと逸らした。ミサイルと風花の相対速度が余りにも速すぎて信管が正常に作動しなかったのだ。触り方を間違えれば衝撃で爆発していた所だったが、風花の繊細過ぎるほど繊細なマニュピレータはそれが可能だったらしい。また、掌に特殊衝撃吸収素材が使われていたこともその一因となったようだ。・・・どちらにしても言えることは、0,01秒の誤差も許されない動作を即興でやってみせたユウはやはり人としておかしいのだろうということだ。
――想定よりもシールドエネルギーを10程節約できた。残り余剰エネルギー20。
春雷の発射シーケンスが終了したらしい。だが全身に展開したバリアを解除してセシリア戦でみせたような虚空踏出機動を行う訳にはいかない。彼女は僕の「切り札」の事、そして虚空踏出機動を行えない事を知っているだろう。何せ基礎データをくみ上げた張本人なのだから。
直進しか出来ないに等しい風花に素早く狙いを定め、ためらいなく発射。バリアを避けて態と装甲版に当ててきた。そう、今の風花はとにかく絶対防御を発動させないために装甲の無い部分へ優先的にバリアを回している。ならば既にAP弾で強度の下がった装甲部分を狙えばいい。衝撃で
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