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インフィニット・ストラトスの世界に生まれて
海に行ったら、黄昏る 序文
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れたもんだ。
じゃなかったら今頃ここにはいなかっただろう。
今の両親に引き取られるまでに色々あったそうだが、強力に養子縁組を薦めたのは姉だったというのが笑えない。
その頃から姉は俺の事を猫可愛がりしていたのだろう。
早く言えば、重度のブラコンである。
俺がジュニアハイスクールに通っていた頃のとある日の放課後。

「学校が終わったら二、三時間ほど俺に付き合ってくれないか? きっと素敵な時間を過ごせると思うんだ」

「そう? どこに連れていってくれるのかしら」

「そうだね、帰りに甘いお菓子でも買って俺ん家にって感じだけど」

「ああ、なるほど。まあ、いいけど……どうせテストが近いから勉強を教えて欲しいんでしょ?」

「なんだ、もうバレたのか」

「当然でしょ」

ってな具合で一度ガールフレンドを家に招いたことがあったんだが、それを発見した姉は、

「彼女が欲しければ、私を倒してからにしろ!」

と言い、俺に向かってファイティングポーズをとってくる。
いつだったか忘れたが、俺に彼女が出来たら彼女に対して武力介入してやるとか言っていた気がするが、蓋を開ければ俺に武力介入を開始していた。
まったくわけがわからないよ。
その後、家の中で俺と姉の乱闘が始まり、家にいた母親に騒ぐなら外でやれと言われ、リングを家の前の庭に移し、試合を再開。
気がつけば俺は仰向けに転がり姉に横四方固めを決められていた。
そして、俺の耳元に唇を近づけた姉はこう言った。

「欲情したいなら姉でしろ!」

まったく何を言ってんだ、姉は。
昔のドラマの名セリフ、

「同情するなら金をくれ!」

みたいな感覚で言われてもな。
どちらかと言えば、こっちの方がまともに聞こえるのは俺の気のせいではないだろう。
これ以来、俺はガールフレンドを家に招く事がなかった。
というか、この時の騒ぎが噂になって家に遊びに来ようとするガールフレンドがいなくなった、というのが正だろう。
むしろその乱闘が見たいと言ったつわもの女子もいたが、こちらから遠慮してもらった。
数年後、IS学園に行くためにイギリスを離れることになった俺に姉は、
俺の胸にすがりつき、目に涙を溜めて、こんなことを言っていた。

「困ったことがあったら遠慮しないですぐに連絡するのよ。私の行く手を阻むものあらば薙ぎ倒してでもあなたの元に駆けつけるから」

なんてことを言っていたが、姉は本気で言っているんじゃないかと思えるところが恐ろしい。
姉の行動を止めるとすれば両親しかいないが、その両親を薙ぎ倒されたらたまらない。 どんなに困っても姉にだけは連絡すまいと堅く心に誓って
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