キラーパンサーに転生
3あなたに会えてよかった
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明日には自分の村に帰るというドーラちゃんは、あたしに名前を選んでくれたあとも一日ビアンカちゃんと遊んでいて、あたしも一緒に遊んでもらって。
バカな男の子たちと違ってドーラちゃんもビアンカちゃんも、優しいし、賢いし、可愛いし!
あたしを撫でてくれる手もすごく優しくて、すっかり幸せな気分になってます。
特にドーラちゃんは、なんていうか、かゆいところに手が届くっていうのかな?
いくら優しい女の子でも子供なんだから、もうちょっと不器用でも仕方ないと思うんだけど。
あたしが撫でられたいところと触られたくないところをちゃんとわかって、撫でてくれてるみたいな。
やっぱりモンスター使いの素質みたいなの、あるのかな?
ビアンカちゃんのママがあたし用にごはんを用意してくれて、ベビーパンサーになってからちゃんと料理されたごはんを食べるのは初めてだったから、ちゃんとおいしいと思えるか不安だったけど。
おそるおそる食べてみたら、とってもおいしくて。
ああ、あたし、やっぱりほんとに、人間だったんだ。
こういうおいしいの、食べてたんだった。
みんなに優しくしてもらって、おいしいもの食べて。
すごく嬉しいはずなのに、なんだか泣きたくなってきて、ごまかすみたいにして一気に食べきって。
またごまかすみたいに毛繕いをしてたら、また優しくドーラちゃんがあたしを撫でてくれて、もう我慢できなくてぐりぐりと擦り寄ったけど、それでもドーラちゃんは嫌がらないで、しっかり受け止めてくれた。
なんでだろう、ドーラちゃんは、まだ六歳なのに。
ベビーパンサーのあたしはまだ一歳にもならない子供でも、中身はもっとお姉さんなのに。
なんでこんなに甘えたくなっちゃって、ちゃんと甘えさせてくれるんだろう。
ドーラちゃんがあんまり優しいから、お姉さんみたいに甘えさせてくれるから。
あたしはずっと見ないふりでいたことに、気付いてしまった。
あたし、寂しかった。
ずっと、寂しかった。
あたしはベビーパンサーだけど、人間だったのに。
お母さんが作ってくれたごはんを食べて、お父さんが守ってくれる家で寝起きして、毎日お風呂に入ってキレイにして、学校に行って友達と遊んで。
勉強とかテストとか、面倒なこともあったけど、それでも毎日守られていて、楽しいこともたくさんあって。
そのときはちゃんとわかってなかったけど、でも幸せだったのに。
あたしが人間だったことなんて誰も知らなくて、自分でも本当のことだったのかわからなくて。
キラーパンサーのお母さんがいなくなってからは、誰も守ってくれなくて、あたしばっかり頼られて。
キラーパンサーとしては当たり前のことかもしれないけど、黙って置
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