暁 〜小説投稿サイト〜
チートだと思ったら・・・・・・
二十話
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
少女の父親だと思われる魔法先生だ。
健二を除くパーティの全員が素早く身構え、訪れるかもしれない本物のタカミチとの戦闘に備える。正直なところ、誰もがタカミチに勝てるとは思っていなかった。しかし、それでも引けぬという覚悟が、全員の瞳に宿っていた。

「………………」

それをジッと見つめていたタカミチは一つ息を吐くと小さく言った。

「行きなさい」

「へ?」

何をされるまでもなく通行する事を許可された事に思わず面々は気の抜けた声を漏らす。だが、そんなことを気にしていないかのようにタカミチは言葉を続ける。

「立場上表立った協力派出来ない。けど、10分ほど居眠りをしてしまうことはあるかな。寝ていないしね」

ようやく頭の理解が追いついた彼女達は顔に満面の笑みを浮かべ、タカミチに感謝の言葉をかけながらその脇を抜けていく。そして、最後の三人千雨、明日菜、健二が順に抜けていく。千雨は小さく礼をして、そしで明日菜はがんばってと小さなエールを貰い、そして健二は……

「貴方は、気付いているんじゃないのか? 俺達が過去に戻った所で、貴方達は救えないと……」

足を止めて、そんな事を問うていた。

「そう、だろうね」

やはり、と健二は眉をしかめた。元々、この質問をしたのもタカミチがそのことに気づいてるのではないかと言う懸念があったからだ。何故そう思ったかなど分からない。ただ何となく、そんな気がして尋ねた。何故、自分は救われないのに何も言わず、俺達を送り出すことができるのか。それが気になって。

「これから世界は混乱の一途をたどる。超君は上手くやると言っていたが、それは絶対に避けられない。出来る事なら、未来を担う君達にはこんな大変な世界では無く、今まで通りの世界を歩んで欲しい」

健二の疑問を何となく悟ったのか。タカミチは先んじて言葉を紡ぐ。そこに込められた想いは、大人が子供に願う想い。

「ありがとう、ございます」

「明日菜君を、頼んだよ」

たった一人しかいない”この”世界のタカミチの頼みを胸に、健二は一度深く頭を下げ、その場を後にした。千雨と明日菜がその話を聞いてしまっていた事に、気付くことなく。





「ネギ先生!」

「み、皆さーん!」

タカミチと分かれてしばらく。道なりに真っすぐ進んでいくと、開けた場所で見慣れた大きさの影が此方に向かって来ているのを全員が目に捕えた。それがネギだと確信してからは全員が走る速度を速め、そして久方ぶりの再開を喜んだ。



時が経ち、ネギを新たに迎えた一行は世界樹の根が張り巡らされた通路を奥へ奥へと進んでいた。理由は簡単、本来学際中しか扱えぬはずのタイムマシン、カシオペアを使用するためだ。なぜ、扱えぬはずのタイムマシンが世界樹の根っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ