第16話:罪を憎んで人を憎まず
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これが俺の主目的だ!
「理由はどうあれ、ザイルとベロニカが事件を起こした事に変わりありません。その理由をポワン様達が説明したって、元から良い感情を持ち合わせてない者達には、簡単に許せる事ではないでしょう! となれば、ベロニカへのイジメもザイルへの対応も、ポワン様達に気付かれない様な陰湿なモノへと変わっていくと思います」
俺はそこまで言い終えると、ベロニカとザイルを見て微笑んだ。
「俺が提案するのは、二人を俺と一緒に人間界へ連れて行く事です。勿論これは追い出しと言う意味では無く、二人の自主性に委ねたいと思います。人間界へ行く事を拒み、この村……もしくはこの世界で暮らすのも自由です。二人を苛める方々の気持ちも、時間をかければ変わるでしょうから、何れは幸せに暮らせる日が来るでしょう」
「しかし……アルス殿には迷惑な事ではないのですか? 人間の世界に……アルス殿が暮らす村に、突然エルフとドワーフが現れ、剰えその二人がアルス殿の知り合いであると知れれば……」
爺さんは俺への迷惑を考え、提案を否定的に捉えてくる。
確かにエルフとドワーフを連れ歩けば、村の連中以外にも驚く人が沢山でてくるだろう、けど……
「お爺さんの心配は尤もですけど、俺の村での評価は最低レベルなので、そこは気にしないで良いですよ(涙笑)」
ベラから聞いた村人達の俺への評価を思い出し、ちょっとヘコむ俺ちゃん……
「それに……俺にも下心がありますから! だから俺への迷惑は考えず、二人の気持ちだけで決めて下さい」
「下心……?」
誰もが気になる一言だったろう……それでも今回の事件を円満解決させようとしている俺に遠慮して、気付かぬフリをしている中、ベラだけが疑問を口に出してきた。
まぁ聞かれる事を前提で言った言葉だから良いけどね。
「うん。下心……と言ってもエッチな事じゃないよ。俺のお父さんは、何かを求めて世界中を旅する事が多いんだ。多分、俺が赤ん坊の時に攫われたお母さんに関係してるんだろうけど……兎も角世界中を冒険してるんだ! だから俺もそれを手伝いたいんだ。でも俺には戦う力が無い……戦闘力を数字に置き換えたら、きっと『3』とか表示され、エリート戦士に『ぺっ、ゴミが!』とか唾吐きながら言われると思うんだよね」
ちょっと自虐的に自分の事を語ったのだが、「はぁ……」と不思議そうに頷かれただけで、あまり感銘を受けてもらえなかった。
作画は同じ人なのになぁ……
「でね俺もお父さんと世界を旅する為に、戦力が必要だと考えてるんだよ。それが俺の下心……別に俺の手足となって戦えと言うわけじゃないけど、俺の事を守ってほしいなぁって思ってるのです! ダメかな?」
「なるほど……アルスは私の氷結魔法が必要なのね?」
「うん、出来ればザイ
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