第16話:罪を憎んで人を憎まず
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口籠もるベラの発言を遮り、弁護的な事を発言する俺。
最初はホッとした表情をしたベラだが、後半の発言に顔を顰める。
でも文句は言えない……だって、良かれと思って行ってた行為が、ベロニカには苦痛である事に気が付いてなかったのだから。
「では……ベロニカが我々に復讐する為に、春風のフルートを盗み出し、世界を永遠の冬に変え滅ぼそうと画策したのですか!?」
「あ、いや……それはまた違うんですよ……」
エルフのイジメ問題を浮き彫りにして、ベロニカの罪を軽くしたところで今回の本筋を話し出す。
つまり……ザイルの馬鹿が知らずに巻き起こした“永遠の真冬化計画”を説明する。
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「……と言うわけで、お爺さん思いのザイルは、真実を知らなかったが為に今回の事件を起こしてしまったんです。あと、お馬鹿であるのも要因ですけどね」
「ポワン様! 儂の孫が大変ご迷惑をおかけしました……簡単に許される事ではございませんが、儂が村を出て行った経緯をちゃんと話しておかなかった事が要因です。全ての罪は儂にあります故……孫には寛大な処置を賜りたいとお願い致します!」
「じ、爺ちゃん!? そんな……爺ちゃんは悪くないよ! 俺が何も知らずに暴走したのが悪いんだ。ポワン様……全部俺が悪いんです! だから爺ちゃんには何もしないでください! 俺……どんな罰でも受けますから、爺ちゃんとベロニカには罰を与えないでください!」
「何を言ってるのザイルちゃん!? 元はと言えば私にも罪はあるの……ポワン様、私がいけないんです! 村を離れて一人で静かに暮らそうと考えてたのに、思わずザイルちゃんに村の悪口を言ってしまったから……お爺さんとザイルちゃんを罰するのなら、私を罰するのが筋です! 二人の事は許してあげてください!」
大切な家族を思って土下座する爺さん……
そんな家族を守る為、彼女の事共々罪を引き受けようとするザイル……
更に彼氏とその祖父を守る為、自らを犠牲にするベロニカ……
多分……ポワン様は罪を問うつもりは無かったんだろうと思う。
事件の顛末は確認しなければならないけど、無事に解決したのだから誰かに償わさせようとは考えてなかったのだろう。
それを裏付ける様に、目の前で頭を下げてる3人を見て、辟易しているポワン様が存在する。
「あの……3人とも「ポワン様。どうでしょうか……今回の件を俺に一任してくれませんか?」
困り切ったポワン様が、この騒動を収めようとした瞬間、彼女の言葉を遮って俺がしゃしゃり出ていく。
良いとこ総取りの為、俺が出張っていくのです!
「……と、言いますとアルスには何か良い方法があるのですか? 今回の件……私は大事にするつもりはありませんよ」
良い方法も何も、
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