第四十六話 秋のプールその九
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「蒸留酒じゃなくてもね」
「そうよね、ビンガ飲むのははじめてだけれど」
愛実は普段日本酒だ、これは聖花もだ。
「どんなのかしらね」
「楽しみではあるわよね」
「うむ、美味いぞ」
半魚人は上機嫌の感じで二人に言って来た、そして。
胡座をかき何処からか出したネクタイを頭に捻り鉢巻の要領で巻いている。そのうえでこう言うのである。
「特にこのスタイルで飲めばな」
「うわ、典型的な呑んべの親父スタイル」
「ある意味オーソドックスね」
今ではあまり観なくなったスタイルではある。
「そこでその格好でくるって」
「半魚人さん結構日本痛ね」
「うむ、日本は大好きだ」
実際にこう言いつつ肴の冷奴を食べる。
「このお豆腐もな」
「好きなのね」
「それもかなり」
「うむ、豆腐は身体にもいい」
ただ意味いだけではないというのだ。
「枝豆も揚げもよいな、あとな」
「あと?」
「あとっていうと?」
「刺身だ」
見れば刺身も食べている、山葵醤油を入れた小皿に秋刀魚の刺身の切れ端を入れて箸で食べている、そうして言うのだ。
「これは実にいい、天麩羅もな」
「そうそう、日本は美味しいんだよ」
「魚介類が最高なんだよね」
河童とキジムナー達もここで言う。
「胡瓜だけじゃなくてね」
「もう何から何までね」
「たこ焼きもいいな」
半魚人は今度はたこ焼きを食べている、それでそのビンガを飲んでいるのだ。
「これを作った人間は天才だ」
「そういえばたこ焼きって何時出来たのかしら」
「そのこと考えたことなかったわよね」
二人もここでこう考えた。
「ちょっとね」
「これといってないわよね」
「比較的新しいと思うけれどね、出来たのは」
茉莉也も飲みつつ言う、そのビンガを。
「明治からよね」
「ですよね、鉄板がないと出来ませんから」
「ってことはお好み焼きと同じ時期ですかね」
「でしょうね、けれど確かにたこ焼きを考えた人ってね」
「そうだな、天才だ」
「これは神の発明よ」
茉莉也は半魚人に応えながら話す。
「まさにね」
「発明と言うのか?料理は」
「発見?それとも開発?」
「どれも違う感じだな」
こう二人で話す、茉莉也と半魚人は完全に打ち解けている。
その打ち解けている中でだ、茉莉也は愛実と聖花にあらためて言った。
「そうそう、あんた達もよ」
「中に入るのだ」
「遠慮しなくていいから」
「海の幸とビンガを楽しむのだ」
「はい、それじゃあ」
「お言葉に甘えて」
二人も茉莉也達の言葉に頷く、そしてだった。
その飲み会の中に入った、そのうえで秋刀魚の刺身や焼いたものに豆腐や胡瓜、たこ焼きをビンガで楽しみだした。そのビンガを飲むと。
いきなりだ、その衝撃にやられたの
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