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ヘタリア大帝国
TURN104 謎の女その十
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「これって艦隊戦でも地上戦でもだけれどね」
「訓練ではよくあるが戦力的に全く互角の相手との戦いは滅多にない」
 ほぼ全てがどちらかが多いか少ないかである。
「しかし互角ならだ」
「どうなるかわからないっていうのね」
「いや、スカーレット夫人は互角の条件ならだ」
 それならというのだ。
「実は案外脆いのだ」
「脆いとは」
「そうだ、脆いのだ」
「あっ、今度は家事とかのことね」
「スカーレット夫人は主婦としても見事だ」
 尚レーティアは料理でも天才的である、他の家事も。
「政治と同じくな」
「それでもよね」
「自分に有利な条件なら気を引き締めてかかり失敗しない」
 そうした条件では油断しないというのだ。
「不利な条件ならば突破口を見つけて解決する」
「どちらでもないとなるとね」
「意外と手間取っているな」
「何もない状態だとお姉ちゃん結構手間取るところがあるのよ」
「そうだったな、何故か普通の状況だと普段より動きが悪かった」
 東郷も夫婦生活を思い出して語る。
「何故かな」
「そうした状況が少ないからだ」
「動きが悪くなるか」
「相手は十倍の数でも負けない」
 それがスカーレットだと、レーティアは言う。
「そして少数にも強いとなるとだ」
「互角か」
「互角の勝負に持ち込みだ」
 そしてだというのだ。
「勝つことだ」
「そういうことか」
「だからここは互角で挑む」
 そうしてだというのだ。
「ただ、数では互角でもだ」
「提督の質は選ぶべきだな」
「敵の指揮官は一人だ」
 優れた指揮官は、というのだ。
「海賊の十個艦隊の中でもな」
「それに対して、なのね」
「我々はこれだけいる、これだけの数の中でもだ」
 レーティアは提督達をその青い目で見回した、そして言うことは。
「優れた者が揃っている、さらにだ」
「その中でもなのね」
「特に優れたものをぶつけてだ」
 そしてだというのだ。
「海賊達に対しよう」
「同じ数で質はこちらで上にしてか」
「艦艇の質では凌駕出来ないならだ」
 ハードウェア、それで駄目ならというのだ。
「次はだ」
「人材なのね」
「それで対する」
 つまりソウトウェアでだというのだ。
「これでどうだ」
「少なくともこれまでのやり方じゃ駄目だしね」
 南雲も己の艦隊をやられている、それで言うのだ。
「やってみる価値はあるわね」
「ではこれでいいな」
「やってみるか」
 東郷はレーティアのその言葉に頷いた、そして。
 海賊達に向かう面々も選ばれた、まずは。
「俺が行こう」
「長官自らだな」
「スカーレットの相手なら俺がまず行かなくてはな」
 夫でもあった彼がだというのだ。
「話にならないだろう」
「そういうことだな」
 
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