第一章 平凡な日常
9、ついに入学……はいいのだが
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面貸せ!」
相手の顔面に向けて拳を繰り出す。
悪いが、力は弱くたってケンカ馴れはしてんだよ!
パシッ
顔に当たるすれすれのところで、誰かによって拳を止められた。
オレも相手も驚いて目を見開く。
何故ならば、
「入学早々ケンカなんて、やめてくださいよ」
それは、長谷川やちるだったからだ。
見た目華奢で、か弱い女子の筆頭にでも立ちそうだと言うのに、能力とトレーニングで並の男子より力の強いオレの拳を片手で止めていた。
「全くあなたは、もう少し言葉を選んでください。女子は繊細なんですよ?」
「っち」
「霜月さんも」
「あ?」
長谷川がオレに目線を向けてくる。
「女子なら女子らしく、おしとやかにするべきでは? 野蛮ですよ」
女子らしく?
ハッ、オレが一番嫌いな言葉だな。
「てめぇに、オレの何が解るってんだよ。知った口を利くな」
「まずは、口調から直す必要がありますね」
「黙れ。オレはそいつのせいで最高に機嫌が悪ィんだ。生徒会長だからって、容赦しねえぞ」
「説得は無理のようですね」
長谷川はカチャリと眼鏡を押し上げた。
くっそ、こいつ見てると真面目にイラついてくるぜ。
孤児院にいたいじめの筆頭みたいな面しやがって、嫌な思い出がよみがえってくんじゃねえかよ。
よみがえりそうな記憶を頭を振って追い出すと、椅子に足をかけて飛ぶように回し蹴りをした。
「ほら、野蛮じゃないですか」
が、いとも簡単にかわされた。
むしろ、反撃のつもりか、手刀を入れてくるが、屈んで避ける。
こいつ、ケンカ馴れしてんのか?
いや、ケンカ馴れというよりは、今の動きはどっちかって言うと戦闘馴れだ。
こいつ、何者だよ。
「あ〜、もうやめた」
「はい?」
「萎えたわ。お前つまんねぇ」
そう言うと、オレは自分の席に戻り脇にかけてあったスクールバックを取った。
「し、霜月さん……? あの……」
「悪ィ、オレ帰るわ。なんか萎えちまったしつまんねぇし。じゃあな」
「ちょっと、待ちなさい!」
心配そうに見てくる沢田や止めようとして来る長谷川、驚き固まってるクラスメイトを余所に、オレは教室から出ていった。
あ〜あ、こりゃ完全に不良として目ェつけられたな。
ま、学校側としてはオレを退学とかできないはずだから、そこんとこは心配ないんだが。
問題はあの女だよな。
あんな力持ってたら確実にリボーンに目をつけられ必ずファミリーにはいる。
けど、あんなやつ原作にはいなかった。
漫画を全巻揃え、小説も揃え、セッタンセッテにコローレまで買い、さ
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