§35 白銀の軌跡と漆黒の螺旋
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ぽん、と間抜けな音がして。あっという間に砂浜は鉄板に存在を変質させられた。
「これで良し、と」
黎斗がしたことは至って簡単だ。剣戟を交えながら大地を鉄に変換する。そして、金属と化した足元を熔かす。流体となった金属に鋼となって重量が増したドニが抗える訳も無く。ただただ沈むのみ。灼熱の流体金属の中に生き埋めにしたのだ。大気の膨張により生じた突風も、重量級となったドニを吹き飛ばすには至らない。まして微風に返られてしまえばなおの事。―――ドニに、回避する術なかった。
「あぁ、最後の仕上げがあったか」
気軽そうに黎斗が周囲を眺める。黎斗の邪眼が、金属を再び砂に戻していく。数秒足らずにして、砂浜は元の光景を取り戻す。
「な……」
ドニが相手になっていない、という事実がアンドレアの心身を冷やしつくす。だが、それ以上に。
「さて、と。まぁこれで当分は出てこないでしょう」
造作も無く同胞を撃破した少年が、怖かった。
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