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蕎麦兄弟
第一章
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店前なので客達はまだ少ないのだ。
 それでだ、彼等の注文を受けてざる蕎麦を出して食べてもらいながら話しているのだ。
「お兄ちゃんの方が本家で」
「ああ、それであんたは暖簾分けで自分のお店を出して」
「それでここにいるんだね」
「そうなんです、お兄ちゃんは凄くね」
 大柄な身体に似合わない表現を使いながら話していく。
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