第二章
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「急げ、、さもないとな」
「ドイツ軍が来ますね」
「奴等の戦車が」
「そうだ、奴等の動きは速い」
まさに電撃だった、その速さは。
「歩兵では追いつかれるぞ」
「そうですね、ここは急がねば」
「我々では」
この連隊は歩兵連隊だ、第一次世界大戦の時の様に機械化されていない部隊だ、これではドイツ軍の戦車や装甲車にはだった。
「碌に馬もありません」
「それでは」
「パリまで逃げればな」
それでだというのだ。
「何とかなるからな」
「パリに籠城ですか」
「そうなりますか」
「非武装都市宣言の話も出ているがな」
今はそこまで決まっていないというのだ。
「だがとにかくな」
「今は、ですね」
「パリまで逃れて」
「そこで抗戦を目指すかだ」
それともだった、選択肢はもう一つあった。
「イギリス軍と一緒にダンケルクまで逃れるかだ」
「そのどちらかですね」
「我々の取るべき道は」
どちらにしても撤退だ、少なくとも今それを続けている最中だ。
その彼等に師団司令部から命令が来た、それはというと。
「ダンケルクにか」
「はい、伝令がそう伝えてきました」
「そうか、わかった」
連隊長はその話を聞いて確かな顔で頷いた、そしてだった。
連対をダンケルク方面に向かわせた、連隊の旗もそちらに向かう。
それを持つまるゴットは旗を持ちつつ後ろを見てだ、こう周りに言った。
「なあ、今にもな」
「ドイツ軍がか」
「来るかも知れないっていうんだな」
「ああ、奴等の動きは速いからな」
彼もこう言うのだった、連隊長と同じく。
「だからな」
「そうだな、速いうちにな」
「ダンケルクまで逃げないとな」
「ドイツ軍は今どの辺りにいるんだ?」
マルゴットは今も後ろを見ている、そのうえで再び周りに問うた。
「連中は」
「後方三十キロのところらしいな」
「三十キロか」
「ああ、離れてはいるけれどな」
だが、だった。これまでの戦争では安全と言えるその距離でもだった。
「今のr円中だったらな」
「あっという間に来るよな」
「本当にな」
その戦車と装甲車でだ、迫って来るというのだ。
「馬よりも速いからな」
「しかも鉄だからな」
尚且つ砲撃や銃撃までしてくる、まさに圧倒的だった。
それだけの戦力があるからだ、彼等もだった。
「追いつかれる危険もある」
「しかも追いつかれたらな」
その時はだった。
「俺達じゃ相手にならないからな」
「戦車は圧倒的だからな」
「空からも来るからな」
このこともあった、ドイツ軍はただ戦車や装甲車で攻めて来るだけではない、空から航空機でも来るのだ。
マルゴット達は今度は空を見た、今空は青く晴れ渡っているがそれがかえって忌々しかった。
「晴
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