第五章
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「道にゴミは捨てるなんてものじゃないよ」
「もっとだね」
「うん、連中が通った後の汚いこと」
そのヘイトスピーチを連呼するデモの行進の後もだというのだ。
「掲げている看板や文字も酷いけれどね」
「何か連中の掲げてるものって何なのかな」
「間違っても愛国とかじゃないよ」
「エゴかな」
「自分の差別主義だよ」
特に人種差別主義だというのだ。
「特にあのほら、巨大掲示板あるだろ」
「ああ、あそこだね」
大和もすぐにわかった、ネットをしている人間ならすぐにわかる場所だ。
「板によっては酷いね」
「そう、何個かあるねそうした板が」
「板とスレにもよるけれど」
酷いスレはどの板にもあるのがその巨大掲示板群だ。それこそならず者が警官の顔をして集団で弱いものいじめをしている場所もある、
「酷い連中が集まってるよね」
「ああした連中は差別主義者でしかないんだよ」
氏素性はそれぞれであろう、だがその性根はというのだ。
「所詮はね」
「ネットで自分の心を叩き書いているだけだね」
「そんな連中には何もないよ」
本当に差別主義だけだというのだ、連中にあるのは。
「本当にね」
「そういうものだね、それに対してね」
マスターはここでまた店の中を見回した、そして言うことは。
「うちの店のお客さん達はどうかな」
「いい感じだと思うよ」
今も様々な国の人達がいる、中には連中が常にそれこそことがあれば罵る国々の人達も多い。
「色々な人がいてね」
「変わらないだろ」
「うん、どの国の人もね」
肌の色も目の色も様々だ、髪の毛の色も。
「美味しいものを食べて飲んでね」
「そうだろ、何処が違うんだよ」
「一緒だね」
「さて、タコス出来上がり」
マスターは注文の品を一つ作った。
「後エビチリにトムヤンクンにラムチョップもね」
「多いね」
料理の数も種類もだというのだ。
「本当に色々なものがあるね」
「そうだね、じゃあ僕もね」
「今度は何を頼むのかな」
「肴はこれでいいよ」
食べる方はもうこれで充分だというのだ、これまで注文したものだけで。
「お酒が欲しいね」
「お酒だね」
「そうだね、ここは」
またメニューを観る、そして注文するのは。
「ベトナムのビールにしようかな」
「ビールだね」
「うん、ベトナムのね」
それにするというのだ。
「そうしようかな」
「よし、じゃあね」
マスターも応える、そしてすぐにベトナム産のビールがジョッキで来た。
大和がそれを一口飲んだところでだ、店の客席彼にとっては背中の方から上海語が聞こえてきた。しかしそれはすぐに日本語に変わった。
「おっと、ここは日本だったよな」
「そうだよ、何か色々いるけれどな」
「ここは日本だよ」
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