第四章
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「馬鹿を言ったらいけないよ」
「自分達のこともわかっていないんだね」
「愛国の志士を気取ってるのかも知れないけれどね」
「違うよね、絶対に」
「騒いでいるだけだよ、それで営業妨害までしてくれるんだから」
それでだというのだ。
「本当に迷惑だよ」
「お店がどうかしたらマスターも御飯を食べられないしね」
「お客さん達もね」
彼等もだというのだ、今店で楽しんでいる様々な人達も。
「お店が潰れたら悲しんでくれたら」
「くれたら?」
「わしとしては嬉しいけれど悲しいね」
自分の店が潰れて楽しい人間なぞいない、悲しいに決まっている。そして馴染みの客達が悲しむのを見てもだというのだ。
「そうなったら」
「そうだね、僕だってね」
大和にしてもそうだ、日本人である彼も。
「このお店が大好きだから」
「そう言ってもらえると嬉しいよ」
「そうだね、後僕は沖縄生まれだけれど」
「ウチナンチューだね」
「所謂ね」
それだというのだ、自分で。
「それなんだけれどね」
「ネットでああした連中はよく沖縄について言うよね」
「酷いのになると日本人じゃないっていうこともね」
「言ってるね」
「沖縄でも色々な人がいるんだよ」
このことをだ、彼は言うのだった。
「けれどそれがね」
「あの連中はだね」
「一緒くたにして言うんだよね、偏見丸出しの言葉で」
「この大阪についても言うしね」
「結局連中ってのはあれなんだね」
その自称保守の連中は、というのだ。
「ただ差別してね」
「それでよね」
「それで自分の優越感を保ちたいんだよ」
それがその自称保守だというのだ。
「結局はね」
「それだけなんだね」
「というか大阪の何を知ってるんだろうね」
「沖縄もね」
差別は日本の中にも向けられているのだ、彼等のそれは。
「何も知らないでね」
「散々ネットとかで書くんだよね」
俗に大阪民国等と書くそうだ、彼等が大阪のことを知っているかというと何一つ知らないと断言出来ることである。
「本当に浅はかだね」
「保守は差別主義じゃないね」
「違うよ」
マスターははっきりと言い切った。913
「そんな筈ないよ」
「そうだよね」
「保守ってのは。偉そうなことは言えないけれど」
こう前置きしつつだ、マスターは大和に話す。
「相手の、国も民族もその相手の全てを見てね」
「慎重に話すものだよね」
「あんな簡単にネットでも何処でも差別用語を連呼したりはしないよ」
そんなことは一切しないというのだ」
「そもそもまともな人間はね」
「連中はまともじゃないんだね」
「差別主義者だよ」
自分達以外の全てをその対象としている、即ち自分以外はない連中がまともである筈がないというのである。
「そんな
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