第三章
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後
普段よりもその炎の力をずっと弱くしていました、すると燃える様な赤い髪の毛も今は落ち着いていて。
とても綺麗ですが気が強く厳しそうなお顔も穏やかに見えます。そのお顔を見て王様は笑顔でこう言いました。
「おお今の后は」
「王様もですよ」
お妃様も言ってきます、それも笑顔で。
「とても優しい感じですよ」
「そうなのか」
「普段よりお力を弱めているせいか」
「后もだ」
王様も言うのです。
「久しぶりに会えたしな」
「しかもですね」
「普段より優しく見える、そしてそれはわしもか」
「そうです」
「いいことだ」
王様はここまで聞いて実際に笑顔で微笑みました。
「とてもな。ではな」
「それではですね」
「これからはいつも一緒にいられるな」
「そうですね、お互いの力を弱めていれば」
「こうすればよかったのか」
王様は笑顔で言うのでした。
「これでな」
「そうですね、では」
「うむ、長老にな」
その彼にだというのです。こうしてすぐに二人のところに長老が呼ばれました。
王様とお妃様は自分達の前に控える長老にこう言いました。
「約束だ、何でも欲しいものを言うがいい」
「褒美は何ですか?」
「それはもう頂きました」
長老は穏やかな笑顔で二人に答えます。
「既に」
「何っ、もう貰っているのか」
「そうなのですか?」
「そうです、笑顔を」
貰ったのはそれだというのです。
「お二人が一緒にいられる様になった笑顔です」
「何と、それがか」
「私達が貴方にあげた褒美ですか」
「そうです。お二人は一緒にいられる様になってとても幸せですね」
「うむ、その通りだ」
「これ以上幸せなことはありません」
その通りだとです、二人も長老に答えます。
「こんなに嬉しいことはない」
「ずっと会いたくとも会えず悲しかったですから」
だからこそだというのです、一緒にいられて幸せだというのです。
「こうして一緒にいられる様になってな」
「ずっとこうしていたいです」
「そう思われるからです」
だからだというのです。
「お二人は笑顔になられていますね」
「そしてその笑顔がか」
「貴方への褒美になっているのですか」
「私はもう長く生きました、望みはもうありません」
既にです、それだけ長く生きているからこそ。
「笑顔が見たいのです」
「そうか、ではな」
「私達はこれからもですね」
「笑顔でいて欲しいです」
長老も笑顔で二人に述べます。
「そうしてくれますか」
「わかった、それではな」
「そうさせてもらいます」
長老は二人にこう笑顔で述べてです、そのうえで。
二人の前から去り自分の家に帰っていきます、そうして。
王様とお妃様はお互いの力を弱めながらずっと一緒に
[8]前話 [1]次 最後
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ