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永遠の今
第一章
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ばかりでな」
 一応スポーツ大国になっている、とはいっても負ければそれで収容所行きなのだが。
「それで国民に一日何時間も練習させてマスゲームやらせてな」
「労働時間はブラック企業だしな」
 それでも飯は食わせない、そうした男だった。
「馬鹿みたいな宮殿やドーム球場や凱旋門とか造らせてな」
「ああ、あの巨人が通るみたいな凱旋門な」
「巨人が観劇するのかよっていう歌劇場もあったよな」
 権力者、それも独裁的な人物の常としてナベツネスキーは建築も趣味だった、そしてその建築がなのだ。
「手前の馬鹿でかい銅像とかな」
「金ピカのあれな、それで黄金の巨人とかも言ってるよな」
「江戸川乱歩かよ」
 少年探偵団が戦う二十面相の変装した怪人みたいだというのだ。
「しかも美女ばかり何十人も侍らしてハーレム作ってな」
「喜び組とか言ったな、あれ」
「挺身隊じゃなかったか?」
 名前は色々あった、ナベツネスキーがその時に付けるのだ。
 とにかく国民を虐げ弾圧しそのうえで己だけは贅を極めている、国外ではそんなナベツネスキーに批判が集中していた。
 無論国内でもだ、口に出しては言えないが。
 それでもだ、彼等は心の中で話すのだった。
「早く死んでくれ」
「この国からいなくなってくれ」
「あいつがいる限りこの国は駄目だ」
「不老不死なんてとんでもない」
「若しあいつが不老不死になれば」
 彼だけが望むそれが達せられればだった。
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