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神葬世界×ゴスペル・デイ
第一物語・後半-日来独立編-
第五十七章 解放《2》
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そう思わなければいけないのだ。
 神の下に人はいる。
 神によって人は生きさせてもらえる。
 そんな歪んだ、しかし極当たり前の常識。
 それでも皆はただ一人、日来の覇王会会長、幣・セーランに同情した視線を向けた。
「仕方の無いことなんだけども、それで家族も友達も失った。残ったのはただこの世界で生きることへの疑問だけだった」
 だから理解出来る。
「お前の生きていても仕方が無いっていう考えは、俺には解る。形は違うけどさ。
 でも俺もお前と同じ、大切な家族を亡くしたんだ……」
「お前も苦労して、きたんだな」
「辛かった。もう全てが嫌になって、心塞いじまって、そんな時に日来に来た。日来なら身元不明の奴らでもずっといることが出来るからさ」
「こんなことを聞くのもあれだが。家族を失った時、どんな気持ちだったのだ?」
「分からない。家族を失ったのは村が火の海になってた時だったから」
 あ、と顔を落とす奏鳴に微笑み掛ける。
 気にするなと意味が込められたものだった。
 変な同情を避けるために気にしている素振りを見せず、今まで通り続きを話した。
「父親とは神のお告げは何かの間違いだと、抗うために別れて、それっきり。母親と二歳離れた弟とは、燃え崩れた家の下敷きになってるところを見付けたけど、母親に助けが来るから先に安全な場所へ行ってなさいて言われて、離れ、それっきりだ。家族皆を見捨てる形で、俺は、生き延びたんだ」
「辛く、苦しかった筈だ。なのに何故、今のお前はそう笑っていられる。家族も仲間も失って、何故そんな風にいられる……!」
「俺には、俺を気に掛けてくれる仲間がいたからさ」
「仲間?」
 頷く。
 皆がいたから今の自分がいる。
 頼もしい、騒がしい仲間が。
 恥ずかしくて日常では口に出さないが、今この場なら言える。
「昔の俺は誰かの後ろ付いてくような、そんな奴だった。無口で無愛想で、鈍い反応しててさ。だけど、それでも俺を気に掛けてくれる仲間がいた」
「羨ましいな……」
「だろ? だからさ、ある時こう思ったわけさ」

 何時か皆に恩返しをしたい。

「てな。ならウジウジしたままじゃなんにも出来無いから、今みたいに騒いでるってわけ。別に凄いことじゃないさ。お前だって変われるんだ」
 奏鳴は顔を横に振り、その言葉を否定した。
 長い髪が揺れ、その時セーランは奏鳴から光が流れ出ていたのを見た。
 彼女も解放されているのだ。このままでは二人共、解放されてしまう。
「私とお前は違う。そうお前は割り切れても、私は割り切ることは出来無い。幻聴かもされないが聴こえるんだ。殺した者達の、私を怨む声が」
 両の耳を手で押さえ、小さな身体が震えた。
「心配するな。怨む奴らは俺がどうにかしてやるよ」
「どうやってだ」
「奏
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