第一物語・後半-日来独立編-
第五十七章 解放《2》
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よって学勢の行動を制限することだ」
「日来の方は魔法術師や“日来”達、機械人形のお陰でどうにか平気みたいだから。あんたはあんたの役目に集中しなさいよ」
「分かった」
と、飛豊の顔の横に映画面が表示された。
『明様が仰られた通り、私達、機械人形らも頑張っておりますので、どうぞ失敗の無いようお願い致します。ええ、日来の総艦長として私“日来”は優しいので罰は軽いものにしますので。ざっと全船の甲板の掃除でも』
「て、ちょっと待て! 何故、急に“日来”が出てくるんだ!」
『防御壁を出し、移動させるだけの簡単な作業でぶっちゃけ暇です。はい、そう判断出来ます。備蓄している流魔を余計に使わず相手の砲撃を防ぐことなど、私から……いや、失礼致しました。私達、機械人形からしてみれば朝飯前ですので。余談ですが、機械人形に食事は基本必要ありません』
「それ程存在が確認されてから時間が経っていない筈なのに、随分と馴染んでるような……」
飛豊は不思議な疲労感に襲われた。
逆に灯はそんな飛豊とは真逆に、機械人形、今は“日来”にだが称賛していた。
「機械人形の適応力――Great!」
『お褒め下さり有り難う御座います。では、私は役目を果たしに行きますので、ここまでということで。――失礼致します』
の言葉で“日来”が映る映画面が消えた。
適応力の早さに圧倒されながらも、話しがずれていることに気付く。
なので飛豊は咳払いを一つ入れ、再び会話を再開した。
「指示はレヴァーシンクの方に聞いてもらうと助かる。話している余裕はあまり無さそうだしな。いざって時は仕方無いが」
「大丈夫ですよ。私達は私達の方で頑張るので」
「いいリュウ? 飛豊の胸は板なの。これは運命によって決められて仕方の無いことなのよ? 胸のことをとやかく言っちゃ駄目よ?」
「分かったぞー。発育の良し悪しは植物も同じだしなー」
「おーいそこー、なんか失礼なこと言ってるよなー」
「がんばー」
「何がだ!?」
リュウに悪気が無いことは知っている。が、後ろにいる灯が拳を握り、親指を立てているのが気に食わない。
後で仕返しをしてやると思ったが、灯の家系のことが脳裏を過り、仕返しは止めることにした。
また別の機会にだ、と今はそう思った。
気持ちを静め、冷静になる。
「まあ、今はいいか。それじゃ行くからな」
「気を付けて行ってください」
「また会う時までね」
「なんか死に際に言う台詞みたいだな、それ」
「リュウはまだ死にたくないぞー」
会話に区切りを入れ、遠慮無く飛豊はリュウの背中へと股がった。
飛豊が乗り易いようにと、低い位置に浮いていたリュウは飛豊が乗ったことを確認すると、安全確認も無しに一気に人一人分の高さへと上がった。
うおお、と言いながら飛豊は体勢を
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